063 三一二四のよひの螢は…… 掛詞、句切れなし

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  ほたる


三一二四みひふよの よひのほたるは 夢うつつ 二一ふひとをよみの ひに飛びちがふ


・みひふよの よいのほたるは ゆめうつつ ふひとおよみの ひにとびちごう

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[通釈]

 ホタルを詠んだ歌

 宵の口に、三つ一つ二つ四つ、とぼんやり光る多数のホタルは、眺めていると夢かうつつかはっきりしないようすで、二つ一つ十、四つ三つ、とほのめきながら入り乱れて飛んでいる。また、その、ほのめくホタルの火は、黄泉よみというあの世へと誘う火でもあろうか。


[補註]

・掛詞…第二句「よひ」→「四一よひ」と「よひ」。第四句「よみ」→「四三よみ」と「黄泉よみ」。結句「ひ」→「」と「火」。

・句切れなし。


―――――

三一二四みひふよの よひのほたるは 夢うつつ 二一ふひとをよみの ひに飛びちがふ

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(令和元年六月二十八日)(二〇一九年)(夏歌なつのうた

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