第64話 ティナとヴァル
次の日…プラティナは居ても立ってもいられず、単身でヴァルプルギスの居城に向かった…
「はあ…はあ…ダーリン…今…行くから…ね…」
魔法力を温存しようと急な勾配の火山に登ってくるプラティナをバルコニーからじっと見つめるヴァルプルギス…
「来たわよ!ヴァルプルギス!ダーリンを返して!」
「…ほう…王宮と国を明け渡す気になったのかのう…」
「そ、そんな事…出来る訳ないでしょう!」
「ならば優也は返せんな!」
「私の旦那様だから意地でも返して貰います!えーい!」
プラティナはカミナリをヴァルプルギスに落とすが、プラティナは呆気なくカミナリを
「優しい気持ちのお前を優也は愛してるのだと思うが…それではわらわを倒す事は出来んぞ…」
「くっ…」
「待ってくれ!」
部屋の中から優也がバルコニーに飛び出して来た…ヴァルプルギスは宙に浮いて二人を見つめた…
「ダーリン!」
「ティナ!ヴァルは悪い人じゃない!僕には優しく接してくれている…彼女には世界征服の目的に訳があるんだ!」
「知ってるわ!私達…もう一人の彼女…ヴァルプルガさんに会ってきたのよ…」
ヴァルプルギスの顔色が変わった…
「な…ヴ、ヴァルプルガじゃと…」
「そうよ!あなたは世界征服を成し遂げるために生まれたのよ!その目標が無くなったらあなたは…」
「ええい!黙れ!」
ヴァルプルギスはプラティナとは比べ物にならないカミナリを落としてバルコニーの大半と巨大な城の一部を破壊した…
その時、ヴァルプルギスは激しい目眩に襲われる…
「あああっ…おのれ…ヴァルプルガ…あやつの仕業か!」
ミラールに戻ったアイは祭壇の前で、再びヴァルプルガの魂を口寄せの術で降臨させた…
「ヴァルプルギス…もう野望なぞ捨てて早く私と同じように土に還ろうぞ…」
ヴァルプルギスは意識を失いかけて真っ逆さまに落下する…
「危ない!」
なんとか優也は落下しているヴァルプルギスの手を掴んだ…
「くっ…」
いくら魔女とはいえ、この高さから落ちたら命は無い…
「う…ううっ!手を離せ…離すのじゃ…優也…」
「は…離せるわけないだろ!」
「待ってて!ダーリン!今行くから!」
プラティナはヴァルプルギスの居城の中に入った…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます