【溜息は独り】

第291話

【溜息は独り】


 独りの夜は不意に訪れる人肌の恋しさ

 たまにどこかへ寄り道をしたくなる夢への帰路の途中


 水色カーテンの部屋だったり

 サボテンが見下ろしている窓だったり

 一人でも笑い声が駄々漏れの小屋だったり


 時折不意に会いたくなるから

 この心の弱さを紛らわせたいが為に


 私は壊れている、

 と

 正常という理想からはかけ離れた

 孤独という憧れに突き放される夜


 もう駄目だ、

 と

 主語のない言葉を溜息に混ぜて

 どこからか吹いてくる風の言いなりに靡いて

 転々と照らされている夜道をその明かりを辿るように

 いつまで無闇にどこまでも闇雲に歩んでいくのだろうか

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