【溜息くらいが丁度いい】

第290話

【溜息くらいが丁度いい】


 深く、大きく、空気を吸うには

 思い切り吐き出さなくてはならない息を


 血中のヘモグロビンが青くなるまで吐いて

 押し上げる横隔膜が鋭角になるまで肺を圧して

 身体をかたどる全ての空気を放し離して


 しぼむ私が戻ろうと

 震えるその圧縮に反する弾力の粉々を

 集め寄せて粒々にして

 深く、大きく、息を吸うよ


 膨らむ私はどこまで舞うの

 厚みを有してどこまで昇るの

 身体の厚みは皮膚を延ばして薄くして

 張った皮膚が裂けるまで、裂けるまで

 息を吸い込み咽るの私


 抜けた空気で元通り

 足りなすぎても

 欲張りすぎても

 苦しいものだね

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