【鮮明なのに透明】

第262話

【鮮明なのに透明】


 見えないものを、感じたい

 触れられないことを、抱き寄せたい

 聞こえないせせらぎが、そっと横をかすめていく

 どこへ向かい、どこから生まれるのか


 尋ねる相手は、いないけれど

 それでも誰かが答えてくれる、そんな気がするから

 その言葉を、溢さずに、ひとつ残らず、刻みたいから

 この身体へ、僕という存在に


 いつからか、また、記憶に留めようと

 身構えて、研ぎ澄ませて、自然体の私のままで

 そういられることを、この目の前にある今に祈る


 その祈りが風となって

 見えない思いを、運んでくれる

 そう、信じて

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