【触れず、フレーズ。】

第253話

【触れず、フレーズ。】


 真中に単語さえ当てはめれば、なんだかとても深遠な箴言に聞こえるような気がしちゃうフレーズを紹介。

 考えようとすればするほど、深読みしようとすればするほど、なんだかとても名言に思えてくる。

 そんな便利なフレーズがこちら。


【誰だって~~に過ぎない】


 じゃじゃん。

 これです。

 これが便利すぎてヤバイのです。


 どれくらいヤバイかと申しますと――街に出かけたはいいけれど、靴を履いてくるのを忘れて自動販売機の角に小指をぶつけて痛さのあまり阿鼻叫喚した悶絶の末にバナナの皮に足を滑らせて後頭部を強打したのちに密かに思いを寄せている異性が近寄ってきて「だいじょうぶ?」と手を差し出して声をかけてくれながら助けてくれたものの、靴下に穴があいているのを間近に直視されてドン引きされた上に幻滅されてしまったくらいにヤバイです。

 言い換えるなら、すげくヤバえです。

 もっと言い換えるなら百八十度回って激アツです。アツアツです。

 アメリカン風に言えば、ホットです。でもほっとはしません。艱難辛苦の極みです。

 そのくらいヤバイです。



 そうたとえば。

『誰だってバナナに過ぎない』

 といった場合。

 その意味は。

 剥けば美味しいってことかもしれないし、傷つきやすいという意味かもしれないし、ひと房という集団からしか実という個人は生まれないんだよ、という意味かもしれない。

 うん、深い。


 次に。

『誰だって自動販売機に過ぎない』

 といった場合。

 中身が無くては(売り切れでは)意味がないとか、冷たいのとあったか~いのが一緒ですとか、お金を入れなきゃ押しても無駄だとか、品が欲しけりゃ頭を下げなければならない(取り出し口は下にあるから)とか、そういった意味かもしれない。

 他にも。

『誰だって糞に過ぎない』だとか、『誰だって仔猫に過ぎない』だとか、『誰だってブランコに過ぎない』だとか、応用の幅が効きすぎてあまり人に教えたくはないフレーズです。


 がしかし、たまには役に立ちそうなことを書いてみたかったので、書いてみました。

 嘘です。こんなの何の役にも立ちません。益体なしです。

 以上です。

 ご講読、ありがとうございました。

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