【視線は惑い、思念は迷う】

第244話

【視線は惑い、思念は迷う】


 真っ昼間に夢を見たの私。

 海色の空を裂くように駆けた流れ星。

 を

 空色のさざ波に揺られながら眺めている夢。

 そんな夢を私は見たの。


 私は惑うよ。

 寝てしまいたいほどの心地良さだと。

 私は迷うの。

 目を瞑ってはいけないと。


 陽射に煌めく波間から

 顔を覗かせて

 陽気に歌うウミネコは風を生み出す。

「眠ってしまえばいいじゃない」


 鏡みたいに透明な入道雲から

 跳ねたイルカは

 無邪気に踊るの風にあわせて。

「夢に誘う子守歌だよ」


 なんて心地良いのだろう。

 何度ここへ訪れるのだろう。


 いけないと思いながらも

 瞼を閉じる私は

 夢から覚めた、夕日に黄昏て。



 ほらね、いけないと言ったのに。

 そうね、あんなにも言ったのに。

 でもね、いずれまた。

 あのね、行くよまた。


 それまで私は夢を追うよ。

 これまで私が夢見たように。

 続く私の夢物語。

 それから私の夢違わぬように。


 今はほら、夜だから。

 今はまだ、夜だから。

 流れ星が消えるまで。

 儚い光の願い、叶えたいの。

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