【私だけの解答】

第243話

【私だけの解答】


 今を生きることが、死に近づくことならば

 死ぬことは、今を生きる目的地なのだろうか


 全てに平等である死はまた

 私にも同等に分け与えられていて

 必死に命を削り、私は死を得るのだろう


 けれど私は知っている

 捨てるだけで得ることができることを

 ひたすらに、無様に、彩り、汚れながら、削らなくとも

 この命を破棄することで

 死を得ることができるのだと

 私は既に、知っている


「知っているだけでは変革は訪れないのよ」

 削りかすが、そう嘯く

 なら私は、どうすればいいのだ

 たとえ不細工でも、折角ここまで形作ったこれを

 いずれ壊れるのだから、と

 この手で今、破棄しろ、とでも言うのだろうか


 ――生成し、構築し、彫刻し、そして分解

 循環するこの過程全てが揃わなくとも

 ――生成からの分解

 これだけで充分に、得られるのだとすれば――


 平等で、同等で、全てを一瞬で清算し、均一化する

 死。

 私は、今、それを得るべきなのだろうか?

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