【桜雨】

第239話

【桜雨】


 空から降りてくる雪たちから

 形が無くなった

 空から舞ってくる雪たちから

 軽さがなくなった


 雨と呼ばれるそれらは

 春がもたらした進化だろうか

 それとも雨が

 春をもたらしているのだろうか


 どちらにしろ私を伝うその雫たちは

 依然として私を凍てつかせていることに

 変わりはない

 変わろうとすらしない


 いつだって私から温もりを奪っていく

 吹き抜ける風と共に

 拭い去る涙と共に

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