【欠落の端末】

第230話

【欠落の端末】


 よる、独り歩む道を

 誰もいない、私だけの世界

 生きている、と実感できる


 あさ、独り辿る道を

 従順な、しもべ達

 それらの流れを遡る

 生かされている、と投げ掛けられる


 ひる、独り眺める道を

 静かな喧騒が棚引き

 溶け込みたい願望の子守を押し付けられる

 それらを突き放し

 自己と世界との境界線を探す


 ゆう、独り佇む道に

 混沌の渦、代替可能な世界

 私はどこにいる、と嘆く

 従順な、しもべ達は

 純情な、しもべ、へとかえる


 夜、独り紛れる夢に

 死に近づく、唯一の世界

 死んでいる、と実感したい

 夢と世界との狭間に生まれる欠落

 それは死、それが死

 目覚め、「生」を実感するための

 擬似的な「死」


 朝、独り開く瞳

 わたしは私を引き継いで

 今日もまた、生まれる


 やぁ、おはよう


 わたしにとっては

 まだ、

 あの道は未知である

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