【愚鵠を射る】

第229話

【愚鵠を射る】


 的外れな

 たわごとばかりを

 口にしている私


 けれどそれを


 そうだね、そうだね

 と

 高尚な意味に解釈する聞き手がいて


 なるほど、なるほど

 と

 深遠な理屈を付加する智者がいる


 一を知って百を知るどころか彼らは

 屑を知って百花を生む快挙、開花

 自分の内なる世界に咲かせる花を


 まこと叡智に富んだ感受者たち


 ありがたい

 ありがたい


 でも

 残念が無念


 募る念は

 身体の錆となり

 思考の黴となる


 私は叡智を持ってやしない

 ただ以下の

 愚か者に過ぎないのだから

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