【鉛筆削りは象のよう】

第219話

【鉛筆削りは象のよう】


 鉛筆削りの取っ手を、ぐるぐると回して

 ノッポでぎゅんっ、と締まっている

 真新しい鉛筆を、ぐりぐりと削る


 ぱらぱら、と

 鉛筆の削れくずが、落ちゆく中で

 私の塗装も剥がされてゆく

 ぱりぱり、と


 その快感を求めて無想に回る手

 がらがら、がじがじ、と

 抵抗しながら短くなってゆく

 鉛筆が泣く音を、私は求めているのだろう


 鉛筆が泣き、身を削られ

 私は剥き出て、皮膚呼吸ができる


 この清々しい心の表皮に広がる

 静かな波紋に、耳を済ませていると

 からから、と

 乾いた音が聞こえてきた


 真新しく凛としていた鉛筆は

 もさもさ、の

 じょりじょり、へと成り果て

 ばらばらとなっていた


 その削れくずで、私はまた

 塗装し直すのだろうか?

 寒くなったから

 と

 我が儘を言って

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