【わからないのなら、触れられる範囲を、感じてみればいいじゃない】

第214話

【わからないのなら、触れられる範囲を、感じてみればいいじゃない】


 解らなくなる、判らなくなる


 優しさって、幸せって、正しさって

 生きるって、意味って、

 存在って、

 なに?


 そもそも、

 なにって、なに?


 自然の為に、皆の為に、

 誰かの為に、自分の為に

 利得に役立ち、助け合い

 欺瞞に詭弁に無知に浅薄

 戯言がもたらす矛盾の行為


 意味とか概念とか

 思想とか主義とか

 自我とか自己とか

 心とか愛だとか


 全部全部、幻想なんだ

 存在という言葉に縛られた、幻想なんだ


 在りもしないものに、在りもしない意味を

 くっつけて、被せて、束にして、塊にして

 在りもしない答えを得たつもりになる


 目を閉じて、耳を塞いで、口を閉じてごらんよ

 周りを取り巻くそのままを感じてみてよ

 そこに意味があるかい?

 それが意味かい?


 君がいようと、私がいようと

 誰がいようと、誰が考えようと

 なにも変わらない

 なにも消えない

 なにも壊れはしない


 それらは循環を続けるだけ

 形を変えながら、安定を求めながら

 次なる連なりに交わっていくだけなんだ


 そこに意味はない

 それが意味でもない


 意味という言葉が表すのは

 人類という幻想が見る

 不安定からの逃避、それだけ

 それだけなんだ


 未知を許容しきれない幻想が

 一時の安らぎを得る為の抗い

 それが意味の意味


 なのに

 どうして私は

 無意味の拒絶をし続けるのだろうか


 無意味の許容

 それでしか

 安定など見込めないというのに


 きっとそれは

 不安定を好み、自ら不安定を求める愚行

 それこそが

 好奇心に他ならないからなのだろう

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