【葉の形に合わせて】

第162話

【葉の形に合わせて】


 思いはいずれ、薄れいく

 風采の彩色や、模りの輪郭と共に

 涙の滴にとけだして

 気化する笑みに連れられて

 時の水面のさざ波に、

 燻られて、削られて

 思いはやがて、薄れいく


 素敵な思いがあるならば、

 し的な思いであるならば、

 言の葉で組む入れ物へ、静かに仕舞うのがいい

 そっと、思いに手を添えて

 言の葉の型を選びながら、ぴったりな蓋も被せようか


 紡いだ想いで編んだ思いも

 浮世の風に靡き、よじれては

 擦れ、解れていく


 綻びかけている思いがあるならば

 言の葉の模りに併せながら

 そっと、折りたたみ

 言の葉で組む入れ物へ、丁寧に仕舞うのがいい

 いずれ解けいく思いの糸が

 風に流され、絡ませたくはないのだから


 いつでも身につけられて、

 いつまでも色褪せない

 言の葉で組む模りの箱へと

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます