【ハナちゃんの絵本:ハナちゃんとお花畑】

第92話

【ハナちゃんの絵本:ハナちゃんとお花畑】


 ハナちゃんの頭にはお花が咲いています。

 とても可愛いお花です。

 ハナちゃんはそのお花をとても大切にしています。


 お花はお母さんの頭の上にも、友達のユキちゃんやユウタくんやミナちゃんの頭の上にも咲いています。

 皆の頭の上に咲いています。とても奇麗です。


 けれど、いつも独りのヤナサくんのお花はしぼんでいて、元気がありません。

 ハナちゃんはヤナサくんに尋ねました。

「ヤナサくん、お花にちゃんとお水あげてる?」

「おはなってなぁに?」ヤナサくんは首を傾げます。

 ハナちゃんは頭を下げて自慢げにお花を見せました。

 けれどヤナサくんには真っ黒なハナちゃんの頭しか見えません。

 ハナちゃんは満足するとヤナサくんに 、

「頭を洗う時にいっぱいお水をかけるんだよ!」

 と教えて上げました。

 ヤナサくんは答えます。

「お家にお水が出ないの。だからお風呂も入れないの」

 ハナちゃんは驚きました。


 ハナちゃんはしぼんだお花が可哀相なので、ヤナサくんを自分のお家に連れて行きました。

 ハナちゃんはお母さんに説明しました。

 お母さんは「あらまぁ」と言うと、ヤナサくんをお風呂に入れて、沢山のご馳走を食べさせました。

 その間ハナちゃんは、ヤナサ君とたくさんお話しました。

 その後、迎えに来たヤナサくんのお母さんと一緒にヤナサくんは、帰って行きました。

 ヤナサくんのお花は少し、元気になっていました。


 ある日。

 ハナちゃんはお友達とケンカしてしまいました。

 ハナちゃんは独りになりました。

 一人でお池の回りで魚を眺めています。

 池にハナちゃんの顔とハナちゃんのお花が映りました。

 ハナちゃんは驚きました。

 ハナちゃんのお花はしぼんでいたのです。

 急いでお家に帰るとお風呂に入って頭にお水をかけました。

 けれどもお花はしぼんだままです。

 ハナちゃんは泣き出してしまいました。


 次の日もハナちゃんは一人で、お池に映るお花を眺めていました。

 するとヤナサくんが、沢山の小さなお花を摘んで、持って来てくれました。

 ハナちゃんはヤナサくんと、たくさんお話をしました。

 水面に映るハナちゃんとヤナサくんのお花は少し、元気になっています。


 帰り道。

 ハナちゃんは、ユキちゃん・ユウタくん・ミナちゃんと、すれ違いました。

 みんなのお花も少ししぼんでいました。

 ハナちゃんは振り返って叫びます。

「この間はごめんなさい!」

 ユキちゃん、ユウタくん、ミナちゃんは顔を見合わせると三人揃って言いました。

「ハナちゃん昨日はごめんなさい」

 ユウタくんは続けます。

「明日は一緒に隠れんぼだよ!」

 ハナちゃんは笑顔で答えます。

「五人でね!」


 家に帰ったハナちゃんは、お風呂に入りました。

 鏡に映ったハナちゃんの顔は、満面の笑顔です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます