【私の妹は。】

第25話

【私の妹は。】


 私の妹は今年中学校に上がる。しかしこの年頃というものは様々な思索がなされるもので、それはまた不安定なものだったりもするわけで。

 最近妹は家で、何もいない空間へ向けてブツブツと独り言を言ったり、壁に向かって話し掛けたりしている。まぁこの年頃は何をしでかしても他人に迷惑さえかけなければ良い社会勉強になる、あとで思い返して悶えればいいのだ我が妹よ、と私は考えて黙っていたのだが、どうも妹は外でも同様のことをしているらしい。そのせいで友人関係が危ういぞ、と妹と同学年の弟をもつ私の友人から私は忠告をもらった。

 今日も家へ帰ると妹は不機嫌だった。

「みんな分かっていないのよ。あたしが頑張って危ない霊とか可哀相な霊からみんなを守っているってさ」

 どうやら学校で友人たちから気持ち悪がられていることにようやく気がついたようだ。だがこの様子じゃ自分を変えようとはしないらしい。しかしこのままでは妹が危ない。私は仕方なく妹に危ない行動は止めるよう遠回しに説教をした。だが逆効果だったらしく、ますます怒らせてしまった。

「何言ってんの?お姉ちゃんたちのためでもあるんだよ?私の苦労も知らないでさっ。いいよね、見えない人は!!」

 ドアを勢い良く締めて妹はリビングから出ていった。そのままドタドタと階段を上がり妹は自室に入ったようだ。

 ドアの前には血まみれの女性。ドアが開いた時には階段に佇む半分白骨化している老人が見えた。

 よくもまぁ、余計な仕事を増やしてくれたよ我が妹。本当おめでたい子だ、まったく。

 私は小さくため息を吐くと、ポケットから赤い小さなガラス玉を取り出し、指輪に口づけをした。

 私の死後戸はこうして今日も、開かれた。

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