224話 ペンギン
俺たちは7階にやってきた。エトピリカを見たり、世界のいろいろな魚を見たりして楽しんでいた。
そして次の水槽にいたのはなんとゴマアザラシ!
「祐くんすっごい可愛いね!」
葵が水槽にはへばりつくようにしてゴマアザラシを眺める。
ただ葵の言うようにアザラシ可愛い。身体の黒い模様がまたアクセントになっている。
「あはは〜居眠りしてる」
アザラシって海の中で居眠りするんだ。それくらい環境に適応しているってことなんだろうな。
「祐くんもこれくらいぐだーってしても良いんだよ? 私の前でも今以上にだらだらしてくれて大歓迎だよ」
「葵、俺は結構ぐだーってしてると思うぞ」
そんな俺の言葉に葵は全然と言った風に首をブンブンと横に振る。
「いやいや。確かに少しは甘えてくれるようになったけどまだまだだよ。家にいたら私に膝枕して〜ってすぐに言ってくれるようになるのが最高だね」
「もうそれダメ男じゃん」
そんな、いつも葵の膝枕とか最高だろうけどダメだ。そこまで行くのは堕落しすぎなように感じる。
「違うよ祐くん。頑張ってる祐くんを癒してあげたいってだけで、それで祐くんが甘えてくれてもダメ男じゃないよ。祐くんがダメ男じゃないのは私が一番分かってるもん」
ただアザラシが居眠りをしていたということからこんなところに発展してしまった。恥ずかしくなった俺は別のところに移動することでなんとか誤魔化した。
そして俺たちは沢山の生き物を見て楽しんだ。
「あ、祐くんペンギンペンギン! 見てみて!」
ペンギンがいる展示コーナーにやってきた。もちろんだがペンギンが沢山いる。
「コウテイペンギン! コウテイペンギン! 私、初めてみたよ。こんなに可愛いんだー」
ペンギンを見て葵は大はしゃぎだがここで一つ問題があった。それを言っても言わなくてもいいのだけど俺は言うことにした。
「葵……それコウテイペンギンじゃない。オウサマペンギン」
空気が凍りつくというのは、このことなんだろうか。本当にそう思わせるくらいの感じだった。
葵は顔を真っ赤にして肩をプルプルと振るわせている。
「もう恥ずかしいじゃん! 今、私今までで一番恥ずかしいことしたよ! 知ったか振りして思いっきり間違えたみたい!」
「落ち着いて葵。ペンギンには変わらないから」
「そんなの慰めになってない! 祐くんもちょっと私ってアホな子なんだなって思ったんでしょ」
「そんなこと思ってないって。恥ずかしがってる葵めっちゃ可愛いな」
「可愛いとか今は良いから! もう祐くん記憶消して!」
ポカポカと肩を可愛らしく叩いてくる。こんな葵も可愛いなと思ってしまった。
小学生の時にした約束はいつまで有効ですか?〜俺は彼女と同じでデレデレです〜 九条 けい @GReeeeN1415
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