184話 理由とは
「おいおい葵。本当に行くのか?」
「そりゃあね。私の祐くんにいろいろ言ってくれちゃって。私も一言言ってやるんだから!」
「ん?」
葵ちょっと怒ってる? そんなに俺言われてないけど俺のために? それは少し嬉しいけど…
それで佐々木さんのいるであろう2年4組へ到着…する前に佐々木に出会った。
「あ、あなたが佐々木さんね。ちょっと言いたいことがあるんだけどいいかな?」
「うん。いいよ。私も神子戸くんに用事があったから」
俺たちはそのまま、また人のいないであろう教室へ。葵と佐々木さんがなんかバチバチやってるのは俺の勘違いだよな?
「それで佐々木さん。なんで祐くんにいろいろ言っていたのかな? 最初は私もあなたが祐くんのこと嫌ってるとかなとか思っちゃったけどそんな感じでもなさそうだし」
なんか葵が怖い。顔は笑っているのになんだろう。雰囲気が怖いというかなんていうか…
「それは簡単よ。知ってると思うけど今の会長。佐々木希は私のお姉ちゃんなの」
うん。それは葵と一緒のタイミングで思った。ただだからなんだ?
「それでお姉ちゃんが会長になった時私も生徒会に入れて欲しいって頼んだ。でもダメって言われた。3年生が全部なるのかなと思ったらまさかの1人2年生がいるじゃない。その時に思った。私この人に負けたんだって。お姉ちゃんは私よりこの人を認めてるんだって」
だからこの選挙でどっちが本当にすごいかどうか決着をつけるんだと佐々木さんは言った。
こんな理由だったとは。驚きもいいところだ。まじな方でびっくり。
「ふむふむ。それで祐くんに勝負を挑んだと」
「そういうことだね。それで勝負を受けてくれるの? 受けてくれないならそれはそれでいいんだけど」
最初の印象と全然違うな佐々木さん。でも出るでないで言われたらやっぱり出ないよ。そう言うことにしてるんだから。
「うん。もちろん出るよ」
って俺、今そんなこと一言も言ってないぞ! 今、誰が言った?
「祐くんは佐々木さんには負けないよ。だって祐くんだもん」
葵〜! 何勝手に言ってるんだよ! 葵だって出ない方で納得してたよね!?
「分かった。なら楽しみにしてる。正々堂々勝負よ」
そういうと佐々木さんは教室を出て行った。葵と残された俺。他に人は居ない。
「あの…葵? なんで俺、出ることになってるのかな?」
「だってしょうがないじゃん! なんか祐くんを馬鹿にされた感じもあったんだからこれは彼女としては絶対に許せない案件です」
こうして俺は生徒長選挙に立候補することになった。
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