120話 気づいたこと
初めてノックとかしてるの外で見るな。ノックは順調に進んでいってる。サード、ショート、セカンドと順々に打球を処理していく。
「やっぱりみんな打球処理上手いんだよな。ずっとやってきたもんな」
そして内野のダブルプレイを取るための練習。ショート、サードが打球処理してセカンドに投げてファーストに送金。
順々にこれも上手くこなす。
「いつも練習じゃスムーズにダブルプレイ取れてるのにな。なんで試合じゃ取れないんだろ」
練習じゃ絶対ダブルプレイ取れるくらいの速さで出来てる。でも試合じゃなかなか取れない。これが雨宮さんのいう中からじゃ分からないチームの欠点?
「じゃ何が原因だ? 練習と試合で違うところ…」
じーっとみんなのプレイを眺める。
「あ、分かった!」
俺はいてもたってもいられずグランドに飛び出した。
「先生、ちょっと思ったんことがあるんで聞いてもらって良いですか?」
ノックを打つ先生のもとに言ってみる。先生は俺たちの提案ややり方をすごいしっかり聞いてくれて尊重してくれるとても良い先生。
「ちょっと祐くん!? ダメだって言ったでしょ。グランド来ちゃ」
「そうだぞ。お前が倒れたせいで俺もすごい注意されたしワンチャン、クビだったんだぞ」
先生にも迷惑かけてしまいました。それもクビになったとかしたらどうやって詫びればいいか。
「それについてはすみません。ただきになったことがあって」
「まぁあれは俺もに責任があったしな。これ以上は言わんが神子戸が気になったことか。うん、言ってみ」
やっぱりいい先生だな。フレンドリーで若くて人気あるのもわかる。って先生の話はどっちでもいいや。
「今ダブルプレイの練習中じゃないですか。で、セカンドの…」
「分かった。一旦みんなに集まってもらって話してもらってもいいか?」
と言うことで一度ノックを中断してみんなに集まってもらった。
でも日陰で休んどってこうやってみんなを呼び寄せるとか何様だよと自分は思う。葵はなぜか嬉しそうな顔と心配そうな顔の2つをしてたけど。
「ちょっと思ったんだけど…」
自分の思ったことを言ってみる。言いたかったのはセカンドのベースカバーの人が練習の時はベースにずっといるけど、試合じゃ違うってこと。
ベースカバーに入るのに時間がかかるから試合じゃ時間がかかってダブルプレイが取れない。1秒遅ければ取れないくらいシビアな世界。
「つまり、大変かもしれないけど毎回ポジションからベースカバーに入る練習がいるんじゃないかなと」
「なるほどな。俺が入るスピードを上げて、他の人がすぐに投げれるようにしてなかったってことか。祐輔なかなか鋭いな」
我らがセカンドの宗一郎が納得してくれた。他のメンバーも同じらしい。
「祐くん今まで気にしなかったのによく気づいたね」
「ん、まぁアドバイスあってな」
グッとサムズアップす雨宮さん。俺もグッとサムズアップ仕返した。
「あれ? 祐輔まさか俺の彼女に手を出してないだろうな」
「祐くん、浮気するなら部屋に監禁ってこともあり得るよ」
「いや、進の彼女とってないから! って言うか葵怖いからやめて!?」
なるほどな。外からじゃわからない事もあるんだな。いろいろメモしておくのもアリだな。明日からメモ帳持って行こう。
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