75話 葵の罠に引っかかりました

 葵に着いて来てたどり着いたのは、ケーキなどの出店が並ぶ場所から少し離れた場所。周りには今は誰も居なかった。


「ここにで何があるんだ?」


「ふふーんここはドリンクを売ってるんだよ」


 あぁ。確かにあれだけの甘い物を食べるんだから飲み物も必要だな。確かにこれはナイスだと思う。それで1個分の券を残しとけって言ったんだな。


 少し得意そうにする葵とともに飲み物を売ってる店に行った。


「いらっしゃいませ〜」


 接客してくれたのは20歳くらいの若いお姉さん。見るからに人当たりが良さそうな人でモテるだろうなぁとか思った。


「ドリンクは何になさいますか?」


「それじゃ、オレンジ...」


「カップル専用あいあいドリンクでお願いします!」


「え?」


 俺がオレンジジュースを頼もうとしたら横の葵から変なことを聞いてしまった。本当になんて言った?


 店員さんは葵の発言ににっこり笑顔で了解し、ドリンクを作りに厨房の方へ行ってしまった。


「葵、何を注文したんだ?」


 俺は葵に問うた。流石にそんなアホな名前のジュースなんてあるわけがない。たぶんAセットみたいな感じで2つ分のジュースが運ばれてくるだろう。


「来てからのお楽しみ!ただとってもいい物だよ!」


 とても楽しそうに店員さんを待つ葵。俺もそれに習って大人しく待つことにした。変なものが来なければいいんだけど。


「おたませしました〜。カップル専用あいあいドリンクです」


 聞き間違いじゃなかった。本当にカップル専用なんとかって言った。


 出て来たのはハートになったストローが目を奪う少し大きめのグラスに入ったジュース。フルーツとかもグラスの縁に添えられていてストローさえ普通だったら爽やかそうでとてもいいと思う。


 ただストローがねぇ。これを他の人がいる中飲むのはちょっと...


「ストローこれ以外ないんですか?」


 一途の希望にかけて俺は店員さんに聞いてみる。


「申し訳ありません。あいあいドリンクにはこのストローしかないんですよ」


「あぁ、そうですか」


 仕方ない。諦めよう。少しこういうのするの葵とするの憧れているところもあったし。


 俺がジュースを受け取って席に帰ろうと思ったら、店員さんにジュースグラスを取られてしまった。


「それではカップルの証をお願いします」


「なんですかそれ?」


 チケットを渡したらいいんじゃないの?カップルの証とか意味わからんのだけど。


「カップルの証はですね、その名の通りカップルがするようなことをして2人はアツアツですよって証明していただくことです。その後でジュースをお渡しします」


 なんてシステムなんだよ。そこまでする必要あるの?


「葵どうする?」


「そりゃもちろんするよ!このために1枚券を残してたんだから」


 いや、葵知ってたんなら教えてくれよ!俺そんなことをするなんて知らなかったんだけど!


「なるほど...それでどうすれば?」


「なんでも構いませんよ。ハグでもキスでもなんでも大丈夫です」


「なら祐くんどうする?」


 嬉しそうに待ってる葵にすることは決まっていた。

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