消えた虹

 それを見つけた時、私は悲しみにくれていた。


 心の内を簡単には表現できないが、確かに悲しみの淵にいた。


 それを理解した時、私は虹を探した。


 どこかにきっとあるはずの虹を、幾度もいくども、何日もなんにちも探す。


 そしてやっと見つけたそれは私の渇きを十分に癒してくれ、側に寄り添ってくれた。


 しかしそれも長くは続かず消えてしまい、私は再び悲しみに覆われた。


 だが、彼が与えてくれた温もりや幸せが私の心の核に刻まれている。


 それを理解した時、今度は自分の力で悲しみを取っ払った。


 きっとこれから先も彼は私の心の核で、励ましてくれるだろう。

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