夫君殺しの女狐は今度こそ平穏無事に添い遂げたい ~再婚処女と取り憑かれ青年のあやかし婚姻譚~

作者 綾束 乙

艶めかしくも清純な夫婦の、

  • ★★★ Excellent!!!

妖艶なドキドキ純愛小説です。


このお話、かなり情念漂う淫靡なシチュエーションです。
主人公は、男性の歪んだ情欲と嗜虐欲に翻弄され、夫を三人立て続けに「殺した」とされ、夫からの愛情を諦めた美しい未亡人。相手役は、かなり年上の妖艶な愛人の情念に囚われ、婚礼の夜の花嫁を置いて、「本物の花嫁は、今、目の前にいるだろう?」とまで言い放つ、彼女と昼間から床を共にする退廃的な美青年。
冷静に考えれば、これほど退廃的なシチュエーションは無いと思います。

だというのに、展開するの限りなく未熟なカップルがお送りする、はち切れんばかりの純愛じれじれ話です。
未亡人の香淑さんがド天然でおっとりした、乙女気質で処女。そして一途な可愛い健気さんです。
一方の美青年・榮晋くんは疑り深くてやっぱり若干天然、そして一番の望みは死ぬことという若干ファンキーなお坊ちゃん。
この天然な二人が繰り広げる空回り気味の恋愛が可愛らしく、「そっちじゃない!そっちじゃないよお」「そうそうそっち、……ウワァアァこんなところに落とし穴が!」などなど、読んでいる側のじれじれ感がたまりません。

ページをめくるのが楽しくて楽しくてたまりませんでした。続きが気になってたまらず、職場で読ん……おっとっといけませんね。


私の個人的な推しキャラはライバル役の媚茗様。
この小説の濡場のほとんどを担当する妖艶な美人。そうこなくっちゃとおもうほど正体が怖い!そしてなにより……このお方も香淑さんに負けず劣らずの一途な乙女気質でちょっと可愛いです。でも、一途すぎて相手の体力を考えられないところが致命的に残念……



凄まじく嫉妬深い媚茗様に翻弄されながらも愛を深めていく、天然カップル・香淑と榮晋の明日はどっちだ!? というじれじれ感を味わいたい方にオススメです。


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