田舎暮らし

作者 菊地徳三郎

97

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★★★ Excellent!!!

いやあ、現在進行形で田舎に住んでる人間なら、誰もが気になってしまうであろう、このタイトル。

「都会の喧騒に疲れたから、人生の楽園を求めて田舎に移住したくて……」とか思っているドリーマー気味な都会人のあなたに、私はちょっと待ったを告げたい。
そして、なにも言わずにこの物語をそっと差し出したい。

森の賢者たちが、田舎に住まうというのは、決して楽なことだけじゃないんだと、ストレートに説教してくれます。すごいぞ、森の賢者!

もうですね、この物語、Iターン希望者へ配布する田舎暮らしの教材として、地元の町役場に置いといてほしいくらいです。

夢見がちな主人公に田舎の現実を教えつつも、「地に足つけた考え方を持って、時には自分から一歩を踏み出す努力も必要なのだ」ということを、風刺を効かせて学ばせてくれます。

「都会は人間関係が煩雑で、疲れちゃって……」とおっしゃるようなIターン希望者には、特に声を大にして言いたい。「田舎のほうが、人間関係の密度自体は、都会よりも遥かに濃ゆいのだ」ということを……。


★★★ Excellent!!!

都会育ちの主人公、青山は田舎に移住します。
美しくて豊かな自然の風景の描写が、はっきりと頭に浮かび、物語に引き込まれました。

最初は現代ドラマ風の物語で進んでいくのですが、途中から少し童話風の要素も入り始めます。
作者様の持ち味である「重厚さ」「リアリティ」と「童話要素」がうまく混ざり合い、不思議で優しい風合いを出しています。

田舎暮らしをしたことがある方も、ない方もぜひご一読ください。

★★★ Excellent!!!

 実際にはこんなにほっこりした、素敵な田舎暮らしは実現しないと思いますが、もし出来たらとてもすてきだなと思えるお話です。

 こんな風に行動出来たら、自分が変われたら・・・

 今の自分の生活に息詰まっている人がいましたら、行動することの大切さを教えてくれる物語だと思います。

★★★ Excellent!!!

 田舎暮らしに憧れる主人公は、移住フェアに赴く。しかし主人公が訪ねたブースは、一人も移住相談者がいなかった。
 憧れの田舎に移住した主人公は、小さな畑や川魚などで、田舎暮らしを満喫していた。しかし、熊や鹿などの動物たちが急に話しかけてきて、「田舎を舐めるな」という内容の苦言を呈するようになった。
 すっかり気弱になった主人公に、話しかけてきたのは、区長だった。
 そこで主人公は、初めて移住先の人々に出会うのだが……。

 自分のことは、自分一人では分からない。
 自分がどんな人間なのかを教えてくれるのは、案外、自分とは違った他者なのかもしれない。

 是非、御一読下さい。

★★★ Excellent!!!

賢治愛が高じて岩手への移住をしてしまった作者さまのエッセーです。
日本に賢治ファンはごまんといても、東京からの移住を決意して実行する人は5人もいないんじゃないかと……。
動物との関わり、土地に昔から住む人達との関わりが温かく描かれています。
賢治ファン必見の良作です。

★★★ Excellent!!!

表題通り、そしてPRにもある通り、宮沢賢治をかなり意識して書かれた作品です。
オマージュ、と評してしまっても良いのでしょうか。

主人公は宮沢賢治が大好きで、都会生まれ都会育ちの身でありながら、氏に縁のある岩手の田舎に引っ越すことを決める。
最初は美しい自然の中での暮らしに浮かれていたが、そうそう良いことばかりな訳も無く――

文体も宮沢ファンにはすっと入ってくる丁寧さ、読みやすさですし、描写の一つ一つが本当に美しい。
童話的なファンタジー要素も少し足されていて、すっかり世界観に引き込まれました。
私は「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」くらいしか知りませんが、十二分に楽しめました。
教科書くらいでしか読んだことないよ!…そんな方でも、安心して楽しめます。
勿論、真の宮沢賢治好きならきっと…。
是非。