第11話守銭奴

「吉村は、守銭奴だな。」


その言葉に、腹をたてた太郎は見回り中に一人の隊士を背中から斬りつけた。


間一髪で沖田が太郎の刀を受けた。


「中村君、冷静に。」


と太郎は沖田に諭された。


「吉村さんを悪く言う奴は俺が許さない!」


太郎は、興奮状態だった。


たまたま、吉村が通りかかり太郎に


「おもなげながんす。」


と言って一礼した。


吉村は、藩を脱藩してまでして妻子に金を送っているのだ。


「吉村さん!悔しくないんですか?守銭奴なんて言われて!」


太郎は、吉村の誠実さと妻子想いに触れてしまってから悔しくてならなかった。


吉村は、にっこり笑って


「ありがとうございます。」 


と言っただけだった。

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