第四話
三十一
―2018年 5月30日(水)昼―
―東京駅―
この年は雨が少なかった―
いや、ここ数年雨は少ない―
六月に入るというのに、まだ梅雨入りの気配さえない。
そんな暑い最中、
白の男「おっっっっっせぇーーーーわ!」
東京駅に迎えに来た自分に対する第一声は怒号だった。
青い男「…スイマセン」
その怒号に対し、渋々ながらも謝罪をする。
白の男「場所間違えてんじゃねーか! ちゃんと言われた所に来いや!」
その思いも踏まえられず、言葉を続ける。
中之「ボクのせいじゃないですよ~」
だがそんな事も知らずに中之は喋る。
青い男「!…ッ…」
その空気を読まずに返答した中之の、ぼくはわるくない という態度に苛つく。
なんでこの人はそんなにコドモなんだ…!!
それに…
何故こんなに言われるのか…
解るけど…そんなに言わなくてもいいじゃないか…!
ヒュブリスを退治されたばかりだからか、感覚に対して酷く繊細だ…
そして疑問も湧く―
この、今感じている"怒り"は―…本物の自分の感覚なのだろうか…?
…迷う
この感覚は、自分の感覚なのだろうか―?
白の男「おい! 早く車出せ! スケジュール狂うだろ!」
そう言いつつ車に乗り込む。
白の男「中之! オマエ結局コイツに任せっきりだっただろ! 少しは自分で考えて行動しろ! サポート役やりてーっつったのはオマエだろ!」
中之「ハイ そうです…」
そう言われ認める。
そんなに怒って、この後に影響はないのだろうか…
白の男「オマエもだぞ! 中之に何もさせないでいたら全部任せっきりになるんだからちゃんと役割分担しろ! チームワークだぞ!」
青い男「ハイ…」
耳が痛い…
一ヶ月前に感じさせられたばかりだから…
白の男「…出せ!」
そう言われ、エンジンをかけ、車を走らせた。
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