―第六話―
十五
―選ぶ
それは自分にとってとても困難な事だった。
だって、決めてしまえば、やらなければならないから。
責任を負わねばならないから。
だから、本気を出せなかった。
だから、本気を出さなかった。
何も
何も得られなかった。
でも、彼女の時は違った。
本気だった。
本気で愛情を注いだ。
でも、彼女は満足しなかった。
奔放だった。
自分の話を。
結局、彼女は出て行った。
自分は間違っていたのか?
あんなにしたのに―
ワガママも受け入れ、金も出した。
それでも―
彼女は別の男のところに行った。
俺は彼女を選んだのに―
選ぶってなんなんだ。
選んだのに
辛い
そう―
俺は選んだんだ
俺は頑張ったんだ
やったんだ
それでこんなに辛いんだ
だったら―
選ばない方が
楽だ―
誰にも迷惑はかけていない
これで良いんだ―
??「それは違うな」
突然声を掛けられた。
なんだ?
意味が解らない。
黒い男「選ばなければならない これは、もう既にお前だけの問題じゃない」
雄一「え…?」
思わず声が漏れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます