第4話 故人に会うための、冥界行きの電車
僕の名前は、冥。
冥王星の冥。
「どんなに遠くても気付いてもらえるおうに」
両親はそう、願いを込めた。
今では、惑星から準惑星に格下げされたが・・・
妹の名前は、あおい。
海の青いからとった。
つまり、冥王星の前を公転する海王星からとった。
英語のネプチューンから取ろうとしたが、やめたらしい。
この海王星と冥王星は、わずかな間だが、順番が入れ替わる時期がある。
僕とゆかりには、互いに協力しあうようにとの、意味があるらしい。
未だに理解が出来ないが・・・
しかし、妹は他界した。
奇しくも、冥王星が、準惑星に格下げされた、直後だった。
妹は男女問わず、友達が多かった。
通夜や葬儀の日には、大勢つめかけてくれた。
思い出したら、泣けてきた・・・
「その、あおいちやんだけどね」
「・・・は・・・はい」
「考え事してたみたいだね」
「ええ」
「もうじき生まれ変わるんだ」
「転生ですか?」
ゆかりさんは、頷く。
「だから、君の妹であるうちに、最後に話がしたいんだって。
それで、君をこの電車に乗せたんの」
「つまり、この列車は・・・」
「故人に会うための冥界行きの電車よ」
まんまですね。
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