異世界への旅路

勝利だギューちゃん

第1話 不思議な電車


僕は学校へ行くために、駅に来た。

学校へは電車で、40分とややかかる。


でも、ラッシュは嫌なので、いつも早く電車に乗る。

これでも混んでいるが、ラッシュとなると、さらに混む。

「近くの高校にすれば、よかったよ」

時々、後悔する。


そうこう考えていると、電車が入ってきた。

あれ?新型か?初めて見る電車だ。


ドアが開き、乗り込む。

誰も下車してこない。

この駅発か?


「おっ、今日は座れるな。」


でも、誰も乗って来ない。

それなりに、人であふれている。

でも、時間が止まったみたいに、誰も動かない。


そして、ドアが閉まり、電車は発車した。


今更気付いた。

僕以外は、誰もいない。

他の車両にも、いないようだ。


「もしかして、回送列車に乗ったか?

だったら、そう言ってくれよ」

たく・・・


仕方なく腰を下ろした。


電車は走る。

見慣れた風景が車窓に広がる。


でも、何か変だ?

何だろう?

この違和感・・・


「ご乗車、ありがとうございます」

車掌さんが入ってきた。

女性の方だ。

それも、若い。


まあ、今は珍しくないのだが・・・


「乗車券を拝見いたします」

僕のほうにくる。


「ICカードでいいですか?」

「はい。構いません」

ICカードを見せる。


「確かに。では終点まで、ご案内いたします」

「あなたがですか?」

車掌さんは、笑顔で頷く。


「はい。この電車は終点まで、ノンストップですし、それに・・・」

「それに?」


「お客様は、あなただけですので・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る