第13話 別離

灯と啓介は、海岸に来ていた。

外はすっかり真っ暗になっており、灯台の灯が灯たちを時折照らして、遠くに見える工場地帯は、きらびやかなライトアップを醸し出していた。

啓介は車の窓を開けると、煙草に火を付けた。

そして、埠頭の輝きを目にしながら灯の方を見ずに、ある一言を言った。

「別れたい?」

「うん・・・。」

海風が吹いてきた。

灯は、ぎゅっと持って来たバックの柄の部分を掴んでいった。

「私、あなたに・・・気持ちが無くなってしまった・・・。このまま、つきあっていても・・・。お互い不幸になると思う・・・。だから、・・・別れたい。」

「気持ちが無くなってしまったなら、元に戻せばいい。結婚はまだいいから・・・。」

啓介が灯を見ずに更に答える。

「・・・そんなの無理に決まっているじゃない・・・。それに私・・・好きな人が・・・。」

「そんなの身勝手だ灯!」

啓介は、車の窓ガラスを思いっきり叩いた。

びくっとする灯。

「俺は、本気でお前のことを愛しているんだぞ!それが、ちょっとの間に・・・好きな人が出来たからって、別れるなんて・・・どうしてだ!?灯!?俺は・・・本気で・・・。」

灯は何も言えなかった。しかし、どうしても分かってもらわなきゃならない。もう啓介に気持ちが無いんだから。

「だって・・・啓介だって、身勝手じゃない!私が袖ケ浦の啓介の実家に言ってた時は、私の両親に挨拶にも来なかったのに!私は待ってたのに。その時、私がどんなに寂しかったか、あなたにわかる?私は待ったわ。5年間。それなのにあなたは、私の気持ちが無くなってしまった時にやっと動いた。身勝手なのはそっちじゃい!!」

灯は、自分の今まで言えなかったことを、やっと啓介に伝えることが出来た。

彼女はほっとした。これで、啓介と別れられる。

啓介は、そんな灯を黙って抱き締めた。

そして、こう言った

「・・・やり直そう・・・灯・・・。」

彼女は、どきんとした。

「俺、間違っていた。灯を寂しくて、苦しい立場に追い込んでしまっていた。灯に好きな人がいるのは分かっている。でも、俺もお前の事諦めきれない。これからもっとお前の事愛していくから、行かないでくれ・・・。」

そういうと、啓介は灯をきつく抱きしめた。

灯は、啓介にほだされそうになった。

彼女は、啓介を抱き締めた。

啓介は、更に灯を抱き締める。

2人は、そのまま、口づけをし、ホテルへといった。


啓介は、灯を抱き締めた。

灯は、されるがままになっていた。

彼は、灯のブラジャーのホックを外した。

彼女の胸があらわになる。

啓介が、灯の好きな右の乳首を舌でなめて転がす。

灯が、仰け反る。

その間に、彼女の秘部を啓介は指でかき回し始める。

啓介の指に灯の蜜が滴り落ちる。

彼はもっと指で、灯の蜜をかき回し、出し続ける。

啓介は、灯にありったけの愛撫をした。

「愛してるよ灯。」

「ああ!啓介!イクー」

「イっていいよ。灯。」

灯が全身を震わせ、イッた。

その後、啓介が灯の足を開き、秘部にキスをした。

そして、彼女の秘部を思いっきりなめまわす。

灯が嬉しさに又仰け反る。

「啓介・・・私シャワー浴びてない・・・。」

「いいんだよ。灯。」

啓介は灯のことを手放したくなかった。

だから、灯が新たに好きになった男など、この手で忘れさせたかった。

だから、啓介は灯を何回もイかせたかった。

灯は、何も考えられない程イキまくった。

それでも啓介は、灯の秘部をなめることを止めない。

「けいすけ・・・もう・・・だめ!・・・」

「灯、愛してる。愛してるよ。」

灯は、感じすぎるあまり初めて、潮を吹いた。

彼女は、それから、震えて言葉にならなかった。

啓介は、灯の足を持ち上げると、正常位で灯の中に自分のを入れた。

灯が、よがる。それを上下に動かす啓介。

灯は、こんな激しい啓介のセックスを感じたことは無かった。

自分が壊れそうだった。

しかし、次の瞬間

健一の顔が現れた。

灯はその時思わず、啓介を突き飛ばした。

そして思わず、ハッとした。

啓介が、驚いた様に灯を見ている。

「ご・・・ごめんなさ・・・。」

しかし、もう遅かった。

「そんなにいいのか!お前の好きな奴が!」

もう、決定的に駄目だと踏んだ灯は、こういった。

「やっぱり・・・別れよう啓介・・・。」

啓介は、黙っていた。

灯はパンティをとると、それを穿き、ブラジャーを付け始めた。

そして身支度を整えると、バッグを持った。

「啓介・・・もうだめだよ・・・私達・・・終わりにしよう・・・。」

そう言うと、灯は、ホテルを出て行った。


フロントで「連れが払います。」と話、灯は外へと出た。

風が冷たかった。2月の海風は、灯の心を一層孤独にした。

それでも、灯はタクシーを拾って、何とか近くの駅へと付いた。

電車に乗って、灯は泣いていた。

さよなら啓介。楽しかった。5年間。

でも、何もかも遅すぎた。

彼女は涙を拭い、東京に帰って行った。







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