第152鱗目:出し物巡り!龍娘!
「いやー、なかなか楽しかったね」
「だな、思ってたよりもクオリティ高かったし、俺としては大満足だ」
んまぁスーパーボールを全部取るとか、そんなことやり遂げたらねぇ。とらちゃんとむーさん顔ひきつってたけど。
「あ、さーちゃん。お疲れ様ー」
「ごめんね待たせて……何かあったの?」
「んーまぁ、後でとらちゃんとむーさんに謝っときなよー?」
僕はニヤニヤと意地の悪い表情を浮かべつつ、合流したさーちゃんの前でそう言いながら隆継の脇腹を肘で突っついていた。
「うぐっ……わ、わーってるって。さて!次はどこを回ろうか!」
「あんた一体何したのよ…………まぁいいわ、明日くる千紗さんの為にも昼過ぎまでに少しでも多く見て回っておかないとね」
「だね。それじゃあ2人とも……文化祭、楽しむぞー!」
「「おー!」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クレープ食べに来たよー!」
「お!いらっしゃい天霧さん!休憩時間かい?」
「うん!そっちは売れ行きどう?」
意外と中庭人居るし結構売れ行きは良さそうだけど。
「まちまちってとこだな、さて3人はどのクレープにするかい?」
いくつかの屋台が立ち並ぶ中庭の一角、貰ったクレープのタダ券を渡しながらどれにするか聞かれた僕は、いくつかあるクレープの種類を見る。
「いちご!」
「んじゃ俺はチョコバナナで」
「あたしはアイスで」
「まいど!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「美味かったなぁクレープ」
「うん!ぺろりと食べちゃったよー」
甘さ強めのクリームをいちごの少し強めの酸っぱさが引き立ててすっごい美味しかったんだよね〜♪また明日も食べに行こっと。
「鈴ったらそんな可愛い顔しちゃって」
「甘い物は幸せをくれるのだよ〜♪」
「ふふふっ。ねぇ、次あそこによってみない?」
「お、手芸店か。確かに面白いものありそうだな。鈴香はどうだ?」
手芸店かぁー、小さいぬいぐるみとかキーホルダーみたいなのかな?
「確かに面白そうだね、行ってみよ行ってみよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「〜♪」
「よかったな鈴香、収穫があって」
「うん!まさかこんなに可愛いにゃんこうのチビぬいぐるみがあるなんて!ん〜もう最高っ!」
僕はそう言うと上機嫌に尻尾をひゅんひゅんと振りながら、少し大きめのコップくらいあるにゃんこうのぬいぐるみに頬ずりする。
作ったっていう人がちょうど出払ってたのだけが残念だったけど、それでもこのクオリティ!足を運んだ甲斐があったよ〜♪
「大満足そうね」
「だな、鈴香が楽しんでるようで本当に…………」
「…………アンタ、あそこ行きたいんでしょ」
「うっ、バレたか……」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「いやー、まさか隆継もああゆうのが好きとは」
「し、仕方ねぇだろ、やっぱアニメ好きとしては1度くらい行ってみたいんだからよ」
「そんな事だと思ったわ」
ニヤニヤと笑いつつそう話しながら被服部のやっているメイドコスプレ展から出てきた僕らは、周囲の視線を浴びつつもペースを乱さずに歩きつづける。
「まぁメイド喫茶じゃ無かったのは残念だったね」
「うぐっ……でも鈴香だって結局着せられたメイド服着たまま出てきたじゃないか」
「だって正直天使服よりもこっちの方が恥ずかしくないし、それにこの後料理大会あるしー──────」
「「あぁっ!!!」」
「うおっ!?どうしたお前ら!」
「隆継今何時!?」
「い、今か!?今は1時半だが……何かあったか?」
「料理大会!」
「忘れてた!」
「えぇー!?」
隆継の嘘だろと言わんばかりの絶叫を後ろに聞きつつ、時間ギリギリで気がついた僕とさーちゃんは、会場へと走り出したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます