140字蟹68 美しいもの
「美しいものとは何ですか」
「美しいものとは美しいものだよ」
「どんなものが美しいのですか」
「まあ僕とか」
「は?」
「いや蟹美しいでしょフォルムとか鋏とか脚とか」
「はあ」
「あと君とか」
「へ?」
「美しいよね」
「私のような男に、ご冗談を」
「冗談じゃないよ~」
「あなたはよくわからぬ人だ。突然やってきたと思ったら私などの面倒を見て」
「蟹だからだよぉ」
「蟹のことはよくわかりませんが、私はあなたに……」
「僕に?」
「なんでもありません。美しいものをもっと教えてください」
「いーよーじゃあ投影するね。まず~僕がこの前川で見た……」
蟹のいる日常。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます