140字蟹19 へいお兄さん
「へいお兄さん、蟹に選ばれてかない?」
辻蟹めいたことをしてるのは友達みんなが人間を選んでいなくなったから。
「へいお兄さん」
手応えはない。もう川に帰った方がいいのかも。そんなことを思いながらそれでも声を出し続ける。
「へい……」
「あ」
「え?」
「蟹……」
その日僕は運命と出会った。
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