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 結果としては大丈夫であった。


 まだ残暑の暑さが残る中キャロルは赤いネクタイをキュっと締める。


 王立学園では各学年の成績上位者20名は他の生徒と制服が異なり白いブレザーに赤いネクタイ、真っ白なスカート、一般の生徒は黒のブレザーに青いネクタイかリボンとなっている。


 汚れても目立たない分キャロルの好みは黒い制服だ。


 ただキャロルに届いた制服が白だった事でとりあえず成績上位者であるAクラス入りだったのだろうと分かったのだ。


 ダンスで落としたが何とかなって良かった。


 キャロルがカバンを肩にかけると扉を開けてレオンが飛び込んできた。


 レオンも赤いネクタイに白いブレザー、同色のスラックス。


 キャロルより点数が良いのだから当然だがレオンも同じクラスである。


「キャロル!

 一緒に行こうぜ!」


「あれ?

 ご両親とは行かないんですか?」


「父さんは来賓席だからな。

 後で陛下と来るんだって。

 殿下達も馬車で待ってるし早く行こうぜ!」


 レオンはキャロルの手首を掴み引き摺る様に塔の階段を駆け下りる。


 危ない上に怖い。


「あの、殿下と一緒に行ったら目立ちません?

 私初日から悪目立ちしたくないんですけど。」


「え?

 どうせキャロルに殿下は話し掛けるから初日から悪目立ちするか遅くとも明日から悪目立ちするかの違いしかないと思うぞ。

 それともキャロルは殿下を無視出来るのか?」


 無視をしよう物なら魔王が降臨しそうである。


 そんな恐ろしい真似は出来まい。


 キャロルは諦めて首を横に振る。


「だろ?

 まあ婚約者候補なんだし一緒にいても何も言われねえよ。

 大丈夫大丈夫。」



 楽観的なレオンにキャロルは小さく溜息をついた。


 静かに研究に打ち込んだり授業をサボって王都で遊ぶという計画はこいつらと一緒にいては上手くいかないだろう。


 様々な事を諦めてキャロルはレオンに引き摺られて行ったのである。


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