Quiz 3

『それじゃあ第二問』


 またジャジャン!という効果音が流れる。

 まだびっくりしてしまう自分もいる。

 音が大きすぎるんだよなぁ…。


『りんごとみかんと桃をトラックの荷台に積んでいる。このトラックが急カーブした時に落としたものは何?』


 というものだ。

 何か暗号のようなものになっているのだろうか?

 リンゴとミカンと桃のあいだに答えが隠されているみたいな感じで…。

 うーんうーん、と私が頭を悩ませて考えていると、隣でピンポン!とボタンを押す音が聞こえる。

 当たり前だが、ボタンを押したのは穂村さんだ。

 思ったよりも早く回答ボタンを押したことに優紗はびっくりしたあと、少し不安そうな顔をした。


「急カーブしたんなら、落とすのはスピードだろ?」


 とあっけらかんとして穂村さんが答えた。


「ちょっと穂村さん!?適当なこと言わないでくださいな!?」


 優紗はあわてて穂村さんに言い寄る。

 でも、そのあとに聞こえたのはピンポンピンポン!という正解の効果音だった。

 

「へ!?」


 優紗には珍しい、素っ頓狂な声をあげる。


『…正解だ』

「よっしゃー!」


 天の声はというと思ったより早く正解したことが不満なのか、つまらなさそうな感じだ。


「理由を!理由を求めますわ!」

『嫌だね。せいぜいもやもやした気持ちでいるがいい』


 天の声のその言葉に優紗は「キーッ!」という声をあげる。

 キーッ!って悔しがる人、初めて見る気がする…。

 優紗はきっと、わからないことをわからないままでいるのは嫌なタイプなんだろうな…。


「うっわぁ…。嫌な性格してやがる…」

「本当に!そうですわね!!ですのでお二方、どんどんぶちのめしておやりなさい!」

「優紗!?」


 まさか優紗から『ぶちのめす』なんて言葉が出るなんて思いもしなかった。

 興奮するとちょっと口が悪くなるタイプなのかもしれない…。


『天下のお嬢様がそんな汚い言葉を使うなんてね。面白いものが見られた。それじゃ第三問いくよ』


 第三問の内容は『生年月日が同じで両親も同じ。でも双子ではない、それはいったいなぜ?』というものだった。

 これにも頭を悩ませていたところ、穂村さんがまたさきに答えを言う。


「ほかにもいるんじゃね?双子以上だった的な感じで」


 正解の効果音が流れる。

 

「ええっ!?」


 そしてまた優紗も驚く。

 穂村さんはもしかして、クイズというよりなぞなぞが得意なのかもしれない。

 直感でこういうのが答えられるのだから感覚派なのだろう。

 穂村さんが二問答えたので私は若干劣勢だ。

 私も頑張らなきゃ!

 

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