Quiz 2
『さあ各々席につき給え』
と二人分の席を用意される。
私と穂村さんは警戒しながらそれに座った。
『警戒しなくとも、それにトラップなんて仕掛けていないよ』
「…っるせぇな、ったく」
穂村さんは悪態をつきながら席に着いた。
私もそれに続き席に着く。
『さて第一問!』
と天の声が言うとテテン!っといかにもクイズ番組のような効果音が流れる。
拘ってるんだなぁ…。
『この四角のなかに入るアルファベットは何?』
という問題。
内容は『J F M A M J J A S □ N D』というものだ。
『ああ、言い忘れてたけどこちらからヒントを出すつもりは毛頭ないから』
と、天の声が冷たく言い放つ。
「はぁ!?んだよそれ!」
そんなことを言われたので、穂村さんはテーブルをバンっと叩く。
『さっきも言ったよね?こちらは時間を稼げればいいって。それにキミらで好きに考えあってもいいとも言ったよ。でもまあ…以外にも、もう答えがわかった人もいるみたいだけど。面白くないから答えは言わないで。ヒントを言うのなら仕方なく許すけど』
と天の声はつまらなさそうに言う。
「清本、お前わかったのか?!」
「へ!?い、いえ…。わかんないです…ごめんなさい…」
「…ああ、そうか。悪い。ってことは桜宮か!頼む、ヒントを教えてくれ!」
「お任せください。ヒントは『カレンダー』ですわ」
という優紗。
それを聞いてさらにぽかんとする穂村さん。
穂村さんのそんな様子を見てちょっと頭を痛そうにする優紗。
『カレンダー』…カレンダー?
私はなけなしの記憶を探る。
あっ!もしかして!
私はひらめいたので、テーブルにある回答ボタンを押した。
ボタンを押すとピンポン!と丸の描いた札が上がる。
『それでは答えをどうぞ』
と天の声が言うので私は答えた。
「答えは『O』!」
私がそう言うと、ピンポンピンポーン!と正解の効果音が流れる。
『…正解だ。答えは『O』』
そう天の声が言うと穂村さんはまだ頭にはてなを浮かべたような顔をしている。
「なんで?」
それを聞いて優紗はまた頭が痛いという顔をする。
「あの順番は1月から12月の英語を表しているんです。January《ジャニュアリー》、February《フェブラリー》、March《マーチ》、April《エイプリル》、May《メイ》、June《ジューン》、July《ジュライ》、August《オーガスト》、September《セプテンバー》、October《オクトーバー》、November《ノーベンバー》、December《ディッセンバー》というようになっているのです」
と優紗は丁寧に穂村さんに説明する。
「お、おぉ…?ふぅん、なるほどな…。勉強になったわ…」
「穂村さんの場合、もう少しお勉強が必要です」
と優紗に言われ、げぇ~っとでも言いたそうな顔をする穂村さん。
そして「いやそうな顔をするのではありません!」と穂村さんに喝をいれる優紗。
私も人のことは言えないけど…穂村さん、勉強頑張って…!
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