旧サーバーを探して

「といっても、古いサーバーってどこにあるのかな…?やっぱりこの前みたいに電子機器の近くとか?」

「わたくしもそちらの可能性の方が高いような気がしますわ。探してみましょう、物は試しです」


 私はうんとうなずく。

 そんななか、私はこの図書館の館内案内板を発見。

 ここにこの図書館に何があるのかザックリと描いてあった。


「ここにどうやら調べもの用にコンピューターが置いてあるみたいだよ」


 私は優紗にそう伝える。


「あら、本当ですわ。ではまずそちらから行ってみましょう」


 私たちはそれがある場所に向かった。

 そして、スイッチを入れて手がかりがあるか探してみる。

 マウスでアイコンをクリックしてみたり、適当にキーボードを押してみたり…いろいろやってみたけど、どうやらここにあるコンピューターには特に何の手がかりもないみたいだ。


「ここじゃなかったか…」

「まあ、この前の時もコンピューター系は何の関係もありませんでしたし…。そんな簡単ではないのかもしれませんわね」


 ガッカリしながら私たちはもう一度案内板をみるとこにした。

 

「ああ、でもわたくしこの部屋も少し気になりますわ」


 と優紗はそう言いながらその場所を指さす。

 そこには『視聴覚室』と書いてあった。


「視聴覚室って図書館にもあるんだね」

「何かしらの行事で使うのかもしれませんわね。古き良き映画を見るイベントなどがあるのかもしれません」


 優紗のその言葉に私はなるほどと納得する。

 

「じゃあそこ、試しに行ってみようか!」

「そうですわね」


 今度は視聴覚室に向かうことにした。

 なんかこの図書館、想像してたよりも広いんだなぁ。

 いろんな設備もあるし…、こんなことが無かったら普通に行ってみたいかもと私は思った。

 そして視聴覚室につき、ドアのガラガラと開け中に入る。

 最初に目に映ったのはなんだろう?

 古い…機械?


「あの機械…なんだろう?」


 と私は指をさしていう。

 優紗は私の指先の方向を見る。


「ああ、あれは昔の映写機ですわ。今でいうところの…プロジェクターでしょうか。あの中にフィルムをいれて昔は映画を楽しんでいたようですよ」


 と優紗は丁寧に教えてくれた。

 ああ、よく見ると小学校の頃の社会科の教科書で見たことある。


「へぇ…。そう思うと今の時代ってだいぶ進化してるんだなぁ」

「そうですわね、時代の進化は素晴らしいものです」


 なんていいながら私たちはその視聴覚室のを探索。

 映写機のフィルムがいっぱいある。

 中には興味をそそられるようなタイトルのフィルムもあった。

 なかなか結構これって貴重なものなのでは?

 あとで内容がどんな感じなのか検索してみよう。


「ここに手がかりはなさそうですわね…。次に行きましょうか」


 優紗がそういうので私も「そうだね」といい、視聴覚室を出ようとした。

 その途端、この部屋で何かガタガタっと何かが動く音が。


「ひぃっ!?な、なに?」


 思わず私はまた情けない声を上げてしまう。


「叶波、あの映写機を見てください!」


 私は優紗の言う通り、映写機を見る。

 するとそこにはあの時廃校で見たときと同じような光景が目の前に広がっていたのだ。

 今回はコードではなくてフィルムが触手のようにうねっていた。


「場所は…ここだったんだ…」

「そうですわね、とりあえず場所は伝えておくとして…。このままお二人が来るのを待ちますか?それとも、先に行きますか?」

「私は…先に行った方がいいと思う。先に情報を取られちゃったら悪用されちゃうもん!」


 私がそう言うと優紗は「わかりましたわ」という。

 場所を伝え、私と優紗は古いサーバーの中へ飲み込まれていくことになる。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る