のんびり日曜日 2

 私は宿題を終わらせることができた。

 うーん、開放感がすごい。

 ちょうどお昼頃。

 それだからか、ご飯の匂いがする。

 ちらっと台所の様子を見る。

 そこには今日の昼ごはんであろう、チキンライスがあった。

 近くに卵もある限り、今日はオムライスなのだろう。

 もうすぐできそうなのだろう。

 私はお腹がペコペコなので丁度良かった。

 ちょっとつまみ食いをしちゃおう、そう思った時…。


「叶波、いるの?」


 お母さんは私のことに気付いたようだ。

 すごい、何もしゃべってないのにどうして私だってわかったんだろう?

 気配感じ取ったの…?

 つまみ食いをし損ねてしまった…。


「いるなら少し手伝って?そこにあるレタス千切って頂戴」

「はーい」



 私はサラダに使うレタスを千切る。

 ついでにとトマトも切らされた。

 後は缶詰のコーンの水を切ってレタスとトマトの入ったボウルに入れてサラダを完成させた。

 そしてできたものたちをリビングへ運ぶ。

 リビングに行くと、お父さんがテレビを見ていた。


「あなた、おひるごはんできたわよ」

「おお。そうか、ありがとな」


 とお父さんはお母さんにお礼を言う。


「私も手伝ったよ!」

「ほんとか~?つまみ食いしようとして見つかったから仕方なくじゃないのか?」


 と、お父さんは私の図星を指してきた。


「…やっぱりね」


 とお母さんもちょっと呆れ気味にそう言う。


「でも手伝わないよりもマシでしょ?」

「うん、そりゃそうだ」


 と私の言ったことにお父さんはそうだなと笑った。

 お母さんも、つられてくすくすと笑う。

 うーん、この『日曜日の団欒』という感じ、やっぱり落ち着くなぁ。

 友達と過ごす休日もいいけど、それと同じくらい家族と過ごす休日も大好きだ。

 私たち家族は、椅子に座り「いただきます」と言った後ご飯を食べる。

 そしてテレビ番組を見てわいわいとしていた。

 しばらくテレビを見ていると、ニュースが流れてくる。

 まあ今見ているの、ニュースバラエティ番組だからそれもそうか。

 今流れてるニュースはとある新興宗教団体についてだ。


「最近、なんか荒れてるらしいわね。なんて言ったかしら…?」


 とお母さんは不安そうにそのニュースを見てそう言う。


「ああ、なんか一人の子供…ちょうど叶波と同い年くらいの子だったか?その子供を『聖なる子』としてあがめてるとこだろ?」


 とお父さんもそういう。

 

「お父さんたち、よくそんなの知ってるね」


 とお父さんとお母さんに私はそう言った。


「お父さんの会社にな、その『聖なる子』を崇拝してる人がいるんだよ。そいつに色々教わってな。そいつ自体はいいやつなんだけど…なんかこんな風にニュースになってると心配になるんだよな」

「私の会社でもいるわ。でも、ニュースになっているようなことをしている人物はほんの数人らしいし…」


 とお父さんとお母さんは不安そうな顔をしている。

 その宗教の名前は『御雅楽教みがらくきょう』…。

 なんでだろうか、この名前を見たとき妙に胸騒ぎがした。

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