サーバーの崩壊
私の端末がなにやらメッセージを受信する。
相手はホロウさんからのようだ。
私はそのメールを開いてみることにした。
すると、ホロウさんのホログラムが端末から現れる。
『どうやら、無事情報を回収できたようね』
私たちが目的を達成したのを察して連絡してきたようだ。
『あら?なんで部外者がここにいるの?』
ホロウさんが柳くんに気付き、彼をキッと睨む。
柳くんはそれにビビる。
「彼は巻き込まれたんだよ。『絡新婦・黒景』っていうやつに無理矢理連れ込まれたみたい」
御神楽さんは柳くんがここに来た経緯をホロウさんに説明する。
ホロウさんは黒景の名前を聞くと…。
『黒景…?あの、裏切り者たちが絡んでいるというの…?』
その冷静さの奥に怒りを感じることが私たちにできた。
でも、ホロウさんはすぐにまた冷静さを取り戻す。
『彼がここにいる事情は分かったわ。わるかったわ、巻き込んで。…ああ、その箱を手に入れたなら至急、このサーバーから出た方がいいわ。この空間の崩壊がもうじき始まる』
そう言って、ホロウさんは私の端末から何かのプログラムのようなものを転送した。
それを開くと扉が現れる。
『これが脱出プログラム。さあ、早く通りなさい。そしてその箱を渡してもらうわ』
「竜太はどうするの?たぶん、この辺だと思うんだけど、彼の家」
『そうね。じゃあ柳竜太は個別に彼の家に転送するわ。…いいわね?今日のこと、他人にばらしたら社会的に抹殺するから』
ホロウさんは柳くんにずずっと近づき、また睨む。
やっぱり柳くんはそれにビビる。
そしてなぜか私もちょっとビビる。
ほんと、なんでだ?
「ホロウさん、あまり脅さない方がいいのでは?巻き込まれてしまったのは仕方ないと思いますわ」
優紗はホロウさんにそう言う。
『万が一のこともあるからね。こうでもしておかないと私の気が済まなかったの』
そうこうしていると、地面が激しく揺れるのを感じる。
ところどころヒビも入っている。
本格的に崩壊するというのが目に見えてわかった。
『ほら、ゆっくりしてると生きて帰れないわよ。早く脱出プログラムに入りなさい』
ホロウさんがそういうので、私たちは急いでその脱出プログラムの扉の中に入ることにした
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