第3話 とまどい
自分が選んでいるように思っていた。だけど、それは、ある誰かの、無意識のような意図的な欲求を叶える手助けをしていたに過ぎない時間だったことに気づく時を迎えた。思えが、優しいような人でも、圧力をかけてくる人でも、冷淡な人でも、同じように関わることで重さがあった。どんなやり方にしても、結局は満たされない何かを、いずれかの方法で、人を巻き込んでやろうとする輩がこの世には多く存在するということだ。私の心が弱い時、例えば、とても美人と付き合いたいと思う時。例えば、自分の価値観を理解して欲しい時。例えば、誰かの庇護のもと安心したい時?こちらにしてみても、手軽に欲が成就する形が、これらの人との関係らしい。彼らは、手ぐすねを引いて待っている。受け入れる体制、隙を見せたら、とことん追い込む方法、さまざまであるが、共通して、人の話なんて聞いちゃいない。聞いているふりをして、どぎつい思いをからっぽの自分のために、どうにか叶えようと虎視眈々と策略を立てているだけだ。
今までも福祉の職業柄、いろんな人助けをしてきた。だけど、それはわたしのひとりよがりだったのかと、いつしか思うようになっていた。彼らの救われたい気持ちというのは、一瞬のこと。その時だけのこと。喉元過ぎれば、、。そんな弱音なひと時が過ぎれば、もう、やはりまた、自分のわけのわからない思いを。。
わたしは、それを、その人の思いを汲み取ろうとした。
だけど、それは、、できていると思っていたが、所詮、思いの強さ、自分の無くし方、それらのレベルが違い過ぎて、私がいくら想像しても、わからないことだと人から言われ、そこをなっとくするまでに、とても時間がかかった。
それは、私も、どんな人でも、わかる時が来る。そして、もっと楽に生きるために、生きづらさの克服がソーシャルワークの一つの指針であることもあり、こうすれば、これだけ話して彼、彼女は理解してくれたようだと、少しずつの成長を仕事の成果と思い、頑張ってきた。
しかしながら、所詮、聞いちゃいないよ。困った時だけ、助けてといっているだけだよと言われた時には、
私の中で、思い当たる節ばかりだった。いままでの経験、、。確かに。
お一人様 Slow Talk @Natunoyokaze
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