青（あを）い水（みず）の滝（たき）は

ダイヤルを一番（いちばん）右（みぎ）にした

一番（いちばん）轟音（うるさ）いヴォリュームで音（をと）を立（た）てる

ざぶざぶにさらに濁点（だくてん）を付（つ）けて

我々（われわれ）の体（からだ）にぶつかるやうな音（をと）

丸（まる）みを帯（お）びた直角（ちょつかく）であるとき急（きゅう）に下（した）に落（お）ちる

無数（むすう）の泡（あは）を作（つく）つて白（しろ）く纏（まつ）わりつかせる

そこら中（ぢゅう）に簡易的（かんいてき）な水蒸気（すいぢょうき）を上（あ）げて

滝壺（たきつぼ）のぐるりの気温（きをん）を下（さ）げる

青（あを）い水（みず）の滝（たき）の上（うえ）の岩（いは）の上（うえ）に

一匹（いつぴき）のロシアンブルーがひょゐと登（のぼ）つた

紫（むらさき）の肌（はだゑ）をぬるぬる丸（まる）めて

その場（ば）で眼（め）を閉（とじ）じる

巨（をゝ）きな水滴（すいてき）が猫（ねこ）に跳（と）んだ

猫（ねこ）も跳（と）ぶ

草叢（くさむら）に消（き）えてしまつた猫（ねこ）は

滝（たき）を忘（わす）れてしまつた

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