人に心はあるのか

せっかく鞄に教科書をつめて

学校まで走ったのにもかかわらず

今日は休みでした

校長の誕生日だとか...

いや、違うと思うけど、LINEで友達にそう聞いた


平日の昼間というのは、

なんでこういつも自由なのでしょうか。

開放感! が地に流れていて

空気中には虚無が漂っている


田んぼの畦道を歩いていると

首を傾げた案山子(←カカシと読みます)と目があった

私たちは見つめ合った


風がつよい。スカートが腿に押しつけられて、サランラップみたいな感じ。

突然風が止むと、私と案山子だけになって、流れる雪景色を見ているような静寂だ。今日は暖かい日だけれど。

ねえ、案山子。疲れないの?


案山子に心はあるのか?

心を求めた案山子は西の魔法使いの所に行ったみたいですが、果たしてこいつは?

考えてみれば、私がこいつとコミュニケーションを取れないせいでわからないだけで、普通にあるのかも。

逆にみんなには(人)ないのかも。

超高性能の反射装置であって、「好きな食べ物は?」と聞いて、「ミカン」と答えたからって、心や自意識があるとは限らない。全員AIの可能性だってある。

「でも現在のどんな高性能のAIだって、人間世界で生活するのは難しいだろう。だから、未来ではあり得ても、現在では、生きてる人はたぶん人だよ。」

案山子がしゃべった。

「案山子がしゃべった‼︎ ーーOMG!」

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