第75回:日本の定義(補講)

以前の創作ノウハウで作者の数だけ日本はある的な事を遠回しに言及したような気配がしますが、その補講と言える物です。さっくり終了系に。


・そもそもの日本は

 日本が舞台の作品を見て、色々と異なる設定がある事に気付きませんか。本来の歴史とは違う道をたどった世界、異世界に日本が飛ばされたり、更に言えば日本が流通コンテンツで最大手な世界もあります。最後のは明らかに世界線シリーズですが。


 十人十色の日本があっても問題はありませんし、授業で習ったような日本の歴史で取り上げられる個所が似たり寄ったりになっても、特に大きな問題はないのです。実際に起きた事件が別の事件や出来事等に差し替えられたりするような大人の事情もあるかもしれませんが、よほどの部分で引用を超えている様な部分やパクリ要素でもない限りは、歴史の被りは問題ないでしょう。


 しかし、それでも守るべき箇所はあります。日本にある架空都市が舞台でも問題はないのですが、実在する場所を出す場合には配慮が必要な個所があるでしょう。それは、実在する建物を名前そのままに出せないという事でしょうか。その建造物の名前が登録商標になっていないか調べて、無理だったら別名称に――と行きたいのですが、トラブル回避のためにあえて架空の建造物に差し替えれば無用なトラブルを回避出来るでしょう。


 実在店舗を出したい場合は、事前取材をして許可を取る位の事はした方がいいと思いますが、商業小説であれば考えるであろう企業はあってもWEB小説に協力的な企業はあるでしょうか? これに関しては商業出版化した際に担当編集と相談をして、その辺りを話せば対応してくれる可能性はあるでしょうが……そこまでしての労力に見合うかですよね。


 異世界ならば、そう言った面倒も起きないので都合がいい……という感覚で異世界転移及び異世界転生が増えているとしたら、いずれは小説レーベルも現代物等にシフトする可能性もあるでしょう。異世界でも現代でも、舞台設定を作る労力は変わらないはずなのです。異世界物のテンプレがあるからと言って、世界観設定を作り込まないで作品を作るのは、さすがに考えものでしょう。

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