第57話 魔導忍者は四大精霊と友になる


王国を創り出す超巨大術式魔法『クリエイト・キングダム』


そのの膨大な魔力の波動を感じて迫り来る者たちがいた


無数の精霊たちである




しかし、『賢者の国』が出来上がってしまうと魔力の波動は止まる


そうすると精霊たちが群がる先は


そう雷蔵達の周りだった


「何故か先ほどから精霊たちが大量に群がってくるんだが」


白玲、イデア、ジスレア、クレアの周りにも集まっている


特にジスレアは精霊たちが多く集まり楽しくお話している


精霊と戯れるエルフ実に幻想的な光景だ


だが、雷蔵の周りいる数は彼女たちの比ではなかった




無数の精霊が集まっているせいで雷蔵の姿が見えないほどだ


雷蔵達は、『存在進化』を経て、今ではイブの知覚を借りずとも、精霊の姿がはっきりと見えるようになっていた


しかし「魔力よこせ」「魔力食わせろ」とか言っているところを見ると、雷蔵の体からあるれ出している力がお目当てのようだ




「マスター大きな魔力の反応が4つ接近しています」


イブ・レーダーが何かを捉えたようだ


「こら!お前たち勝手に持ち場を離れて何をやっている?」


「まぁあれだけの魔力の波動を感じたのですもの仕方ないですわ」


「わしなんてあまりの波動の強さに腰を抜かしたわい」


「大精霊とあろうものが情けない」


4つの大きな魔力の正体は四大精霊たちだった




四大精霊:水・土・火・風 四つの属性を持つ精霊の中でも特に大きな力を持つ者たち


水:ウンディーネ

土:ノーム

火:イーフリート

風:シルフ


精霊たちには自分のテリトリーがあり、多くの精霊が集まる場所ほど豊かな土地となる


四大精霊たちは、テリトリー毎に一体ずつ存在し、眷属である精霊を統率している


上司に叱られるとばかりに雷蔵の後ろに隠れる精霊たち ((゜Д゜;))ガタガタ




「どうやら顕現していない、我らが見えているようだな」


「先ほどの魔力の波動はお前が起こしたのか?」


炎の魔神と呼ぶにふさわしい姿のイーフリートが問いかけてくる


「起動は俺がやったが、ほとんどは『賢者の塔』が起こしたものだ」


「凄いですわ、ここら一帯は砂漠だったはずなのに今は、とても豊かな土地に変わっている」


人の姿をした透明な水ウンディーネが独り言のようにつぶやく


「あの魔力の波動も強力じゃったが、お主たちもなかなかの魔力を持っておるようじゃの」


「特にそこのお前さんは強烈じゃわい」


小人の老人のような姿をしたノームが雷蔵を見つめながら話しかけてくる


「只者ではない」


羽をはやした全身が薄い青い輝きを放つ美少女シルフは警戒しているようだ




「この力の事か?」


雷蔵は『合力』を手のひらの上に集めて浮かべてみせた


「変わった魔力だな」


「でも、とても強力ですわ」


「何か混じっておるようにも見える」


「危険!」


やはりシルフは警戒している




四大精霊たちはおっかなびっくりと言った風に『合力』に触れた


「なんと! 体に力が溢れてくる!」


「ああ! なんと味わい深い魔力なんでしょう」


「どれどれわしも・・・ふむ! これは上物じゃわい!」


「みんな危険!・・・ではない 凄い!」


四大精霊たちは、『合力』をすっかりお気に召したようだ




「「「「どうか私(わし)と契約を!」」」」


これだけの力の持ち主逃す手はない


今度は、誰が契約するかで言い争いを始めた


「見ればこのもの戦士ではないか! 我こそが、このものと契約するに相応しい」


「こんな武骨者より、私と契約した方が楽しいわよ」


「大地の力は偉大なり! もちろんわしと契約するじゃろう?」


「お前は私と契約する!」


シルフさんさっきまで滅茶苦茶警戒していたはずだが




「契約とかは要らない」


「「「「な! なんだと!?」」」」


四大精霊びっくりである


四大精霊と契約すれば、大きな力が手に入る


エルフ達など自ら契約を求めて、懇願して来るほどである




「なら友になると言うのはどうだ?」


「大いなる力を持つ我らと共になりたいと申すのか」


「面白い子ねぇ」


「そんなことを言ってきた奴は、生まれてこの方初めてじゃわい」


「友・・・友になる!」


シルフはめっちゃ食いついている


あれほど警戒してたのにだ




「友になるなら、わしらに名前を付けねばならんぞい」


「俺が名前を付けるのか!」


彼らは雷蔵のネーミングセンスの無さを知らない


四大精霊は名前をつけろとはやし立てる




水:ウンディーネ 水姫:スイキ

土:ノーム 王土:オウド

火:イーフリート 烈火:レッカ

風:シルフ 碧:アオイ


至極無難だった・・・


こうして無事命名式が終了する


雷蔵は知らない、精霊に名前を付けることは契約を意味することを




「「「「おお! 力が溢れてくる!!!」」」」


契約によって力を授けるはずの精霊たちが、逆に力を貰ってパワーアップしていく!


水姫:スイキは、美しい光を放つ清水のようなうつくしさを

王土:オウドは、若返ったし、小人じゃなくなった!しかもイケメンだ!

烈火:レッカ まさに燃え盛る炎増し増しだ!

碧:アオイ 羽が六枚に増え、羽がゆっくりとはばたくたびに美しい光の粒を放つ


「「「「今なら世界の支配も夢ではない!!!」」」」


強大なエネルギーに酔っているのか


良からぬ事を口走っている




ちゃっかり雷蔵と契約した四大精霊さんはその後


「おお! こりゃ上玉の魔力結石じゃのう! ここにやっかいになるとしよう」


「我もここが気に入った」


「この色艶と魔力の質・・・いいじゃない!」


「ここに住む!」


ジスレアの杖にはめ込まれた魔力結石に住み込むことに決めたようだ




こうして、ジスレアの杖は四大精霊の杖と言う、精霊使い垂涎


しすて世界最強の杖になったとさ


めでたしめでたし



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