第33話 魔導忍者は仲間の新たな力に驚愕する(白玲編)
人であることを捨て『魔造人間』となった女子4人組
見た目は、以前と変わらないように見えた
場所を、『魔造骨格研究室』改め『魔造骨格メンテナンスルーム』から、『魔法の実験エリア』へと移し、不具合がないか確認のために、体を動かしてもらう
見かけは変わらないが『魔造人間』となった彼女たちの身体能力は飛躍的に高まっている、そのギャップを埋めるためでもあった
「ようし、腕試しといくか、相手してやるよ白玲!」
「イデア 望むところだぁ!」
それを見守る、4人
「凄いですねぇ、私だと太りの動きについていけませんよぉ」
雷蔵、ジスレア、クリス魔造人間である彼らは二人の動きを捉えているようだ
26号目は雷蔵の実況中継を楽しんでいた
「しかし 俺の時よりすごくないか?」
「いやいやぁ ライゾーの時は、死にかけましたからねぇ」
恨みがましく雷蔵を睨みながら26号が言う
「あの二人にはついていける気がしません」
がっくりしたように、ジスレアが言う
「お前は後衛職だから、あいつらに合わせる必要はないぞ」
「私も混ぜてもらっていいですかぁ? 行きますよぉ!」
「なにぃ!あたいと互角にやり合えるだと!?」
「我の剣を受け流すだと!」
互角に渡り合うクリス
え~と後衛職ですよね?
「神官の修行で、体術や棒術は多少の心得があるんですよぉ」
結果4人に問題は見られないどころか、約1名は絶好調だったようである
続いて、『魔導外骨格』の性能実験も行う
まずは、白玲
「こ、これが我の『魔導外骨格』!? 美しい!」
「君の為に、苦労してカスタマイズしたんだよぉ」
26代目は、その出来栄えに満足したように言う
どや顔で
『魔導外骨格:賢者の剣』
接近戦に特化してカスタマイズされている『魔導外骨格』だ
装甲の強度は雷蔵のジンライに勝るが、俊敏性を高めるため、それほど厚くはない
と言っても並の魔物には傷ひとつつけられないが
白玲の言う通り、本来武骨なはずの鎧であるが、美しいといっても過言ではないシルエットを形作っている純白の積層装甲
そして背中には、同じく美しい白い大剣が背負われていた
「装着!」
26代目の説明通りに、アクティベションを行う
白玲が、純白の装甲に包まれる
「声帯認証及び、魔力波形の認証、装着者:白玲と認識しました」
「アクティベイション・シークエンスに移行します」
「オペレーションシステム『イブ』起動」
「システムオールグリーン」
「・・・初めまして、白玲さん」
「む!そなたは?」
「私は、『魔導外骨格』の操作をサポートするために造られた、人工精霊『イブ』と申します」
イブは、『魔導外骨格』のサポートに特化して造られており、雷蔵と同じく、4人の『魔導外骨格』のサポートを担当する
賢者の塔をほぼ1体で管理していると言ってもいい、人工精霊:バベルと同じく、並行処理によって4体の『魔導外骨格』を同時にサポートできるのだからすごいの一言である
ちなみに、イブさん本体は、雷蔵の体内にあるコア:賢者の石の中に宿っておる
雷蔵、白玲、イデア、ジスレア、クレアそれぞれのコアは『魂の回廊』で繋がれており閉ざされたネットワークを形成していた
外部に情報が露営することの無い魔導式イントラネットと言ったところか
なので、誰のコア内にいても問題ない
しかしイブは雷蔵のコア以外に自分の居場所はないと決めていた
そこは譲れないのだ!
「以後よろしくお願いいたします」
「よろしく頼む!」
「ではアクティベイトの為の最終シークエンスを実行させていただきます」
「この『強化外骨格』の固有名称を登録してください」
「剣星(ケンセイ)でお願いする!」
星のように未だに届かぬ遥か高みに目指したいそう願って付けた
その高みにいるのは雷蔵だった
「固有名称を「ケンセイ」で登録完了」
「アクティベション・シークエンス完了」
「白玲様『魔導外骨格』が動作可能となりました ご命令をどうぞ」
「試し切りがしたい!」
「問題なく、アクティベション出来たみたいだねぇ」
「魔鉄鋼で出来た壁を用意するよぉ」
そう言うと、床から黒いモノリスを思わせる巨大な黒い塊が現れる
白玲は背中から大剣を抜き放つ
「な!?なんという軽さ」
『重力制御で本来の10分の1の軽さになっています』
『逆に斬激に合わせて10倍の重さにして攻撃力の向上を図っています』
「何だかよく分からないがすごいな!」
現在ではロストテクノロージーとなった技術を6000年間磨き続けた結晶だ凄くないわけがない
『白玲様 賢者の剣:超振動モードを起動いたしますか』
『なんだ、それは?』
『剣の切断能力を飛躍的に高める機能です』
『それならば頼む』
『了解いたしました 超振動モード起動』
握った大剣から手へとヴォンっと振動が伝わる
『超振動モード起動完了』
『いつでもいけます』
「うおりゃあ!」
目の前にある黒い物体に全力で斬りかかる
高い金属音が響き渡り、手に大きな衝撃が走る・・・そう思っていた
しかし、黒い物体:魔鉄鋼で作られた塊はまるでバターを切るようにあっさりと切断された
「「「「「え!?」」」」」
これには切った本人だけでなく、雷蔵たちもびっくりである!
「どうだい、すごい切れ味でしょう? ごいす~でしょ?」
と、どや顔の26代目以外は
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