第576話
冬支度を始めるダンジョン
「戦争で帰国できなかったからな」
遠征のため報告義務があるらしい。ということで……
「い〜や〜ああああああ! の〜こ〜るううううう!!!」
「却下」
泣いて嫌がったのはアラクネの金糸にぐるぐる巻きにされたエリーさんだった。
「まだミリィの子供たちに会ってなあああい!!!」
「だから身体を置いて行こうとするな!」
よーく見ると、エリーさんの右腕が肩から2本生えている。1本は透明だ。精神が抜け出そうとしているようだ。
「完全にクセになっているな」
「アラクネの金糸がなくなったら飛び出すよね。海の上で外しても大丈夫かな」
《 ムリムリ。飛んでくるでしょ 》
「だよね〜」
バラクルにコルデさんとアルマンさんにこれから帰国することを報告に来たキッカさんたち。コルデさんとアルマンさんは引退に近い状態で、今後はパーティーの顧問という立場だ。年齢的にも引退はまだ早いものの、2人はダンジョン
コルデさんが探していた2人の子供ハルーファスはパルべシアに、ロッテはいとこのルグレインと一緒にパルパークにいた。港に着いたときに3人で一緒にはぐれた。そのときに港から出る混乱に子供たちは近寄れず、離れていたところで待っていたらそこに船が来てそれに乗ったらしい。
「国に戻る船だと思った」
その船のがタムスロン大陸行きで、最初に立ち寄った港で降りたとのこと。そこで避難民として避難所にいたが、仲良くなった子が親戚を頼っていくと聞いて一緒にウルクレア国へと移動、そのままパルパークで暮らして大人になった。ハルーファスは結婚して隣町のパルべシアに移ったがハルーファスとルグレインは魔導具技師となっていた。ロッテはルグレインと結婚していて子供もいるらしい。
ダンジョン
以前ルーバーが教えてくれた『滅びた兄弟国』と同じ名前だけど、いま名前が残っているのは救援国のウルクレアに保護されてつくられた町。両国の王都とその周辺は
ダイバのほかの兄弟姉妹も近々ダンジョン
これが生き別れた家族全員が初めて揃った再会になる。そのためエリーさんはユーリカさんたちの護衛を、交代でダンジョン
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