第366話
「あの国は妖精たちを皆殺しにしようとしたわけではない。しかし知識がなかった。そのせいで、
そう、その二属性の妖精は奇跡でしかない。
「そうね。私も光と
ミリィさんの言葉にエリーさんも「話に聞いていたけど会ったのはエミリアちゃんの妖精が初めてだわ」と同意した。
「私のクラちゃんは……連中に殺されて、運よくもう一度
「ビン詰めって、妖精が見えるのですか」
「光の加減でうっすら。火の妖精は赤色の髪の毛だから。ひーちゃんは強い
そういったら、隣に座るアルマンさんに頭を撫でられた。
「妖精の髪の色は違うのか?」
「うん、
「きっとそれだけじゃないぞ。助けてくれたエミリアちゃんのそばにいたいと思ったんだ。ただそれをいうのが恥ずかしくて、そう言い訳してるだけだ」
「そう、なのかな?」
「ああ、そうだ。エミリアちゃんは優しいからな。本当のことをいっても周りが許そうとしないから、一番説得力のある理由を使ったんだろう」
……そうなのかな? でもそんなに私のことを気に入ってくれたのなら嬉しいな。
「それで妖精の隠れ里で私が妖精たちの味方で仲間を助けるといっても信じてもらえなくてね。
声は聞こえない。だけど、あとで妖精たちに聞かれて二人との出会いを語った。そのときになんて説得したのかを教えてくれた。ピピンとリリンは当時のことを恨んではいない。
《 『捨てるように放り出された。それが悲しかった。ただ、それだけ』だって 》
二人には新しい仲間ができた。それでも妖精たちが一緒になって騒いで遊んでいる姿を見ているピピンの表情は時々悲しげだ。私がダンジョンに入るまでは、あんな風に仲間たちと楽しく生きていたのだろう。
……二人の仲間を倒したのは私だ。ピピンの悲しみは私が生み出したんだ。
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