第442話
買い物も済ませて、お次はってーと。
「
自然公園で時間潰しなんだとさ。
自然公園……っていうかほぼほぼ放し飼いの動物とのふれあい広場って感じか。
一応年中解放されてるし管理人も控えてるらしいから安全ではあるんだけど……。
「……触んねぇの?」
「逃げるし、無理ちゃう?」
クリスマスイブでもちらほら子供とかカップルとかお年寄りとかいるんだけど。……あと寂しさを飛び越えて虚ろな目をした人も。
皆が皆人慣れした動物と触れ合ってるんだけど……どの区域に行ってもカナラには近づこうとしない。
ちなみに今いるのは狐が集まる
「昔からあんま好かれへんのよね。肉食べるのには特に」
「へ~」
ウサギのエリア通ったときは大人しかったもんな。震えてたけど。
「んでも、
「なんじゃそら」
そんな技名みたいな……。
「気配絶ち……みたいなもんやね。
「んで、今はできないと?」
「でき……なくはないけど。坊がいると
なんでじゃい。人のせいにするんじゃねぇ。
と、言いたいとこだけど。
実際こいつ俺がいるときほどポンコツになるんだよな。
俺がいないとこの話も他の
こういうの当事者が言うのはいかんと思うし、俺も微妙な気分になるんだけど。色恋ってのはすげぇヤツも
「坊がいるとどうしても昂ってもうて……。抑えるのは大変なんよ。……あと、今は特になんよね」
「その心は?」
「……本人は隠れてるつもりなんやけどね~。で~も、坊との時間邪魔するんはあかんわ。あ~あ~聞こえる聞こえよるわ。
「……?」
なんのこっちゃかまったくわかんねぇ。
推測するに知り合いとか
でも、周りに強いマナ持ったヤツなんていない……っぽいけど。
「はよこんと……剥ぐよ?」
「……!」
カナラがちょっと
それから急ぎ足で近づいてくる。
……あ~なるほど。
「煙魔はん。剥ぐはあかんて剥ぐは。洒落になっとらんから」
「洒落ちゃうし」
これまた流暢に話始めたね~。そらそうだよね~。そういえばいたもん。カナラには狐のお友達がさ。
名前は……思い出すのめんどくさいから忘れたってことにするけど。
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