第424話
「さて……と。どうしたもんかなこれ?」
話題にもなってたし、てか本人から絶対観ろと言われてたから観たけど……。なんなら
完全に公開処刑だったな。最後。
しかもこうなることがわかってたみたいだし、まさか晒し者にされてるとこを見せたかったってわけでもないよな?
「……フム」
「ん? どうした?」
俺に膝枕をさせているリリンの思案する声。
こんな声出してるときは大体なにも言わずとも答えを出してくれるとき。
さぁ! 存分に語りたまへよオルメス!
「……」
「……」
「……」
「……」
「……ふん?」
「いや、黙りか。何か言うかと思ったぞ」
ロッテよ、ナイスツッコミ。
今この場にいる全員がリリンの二言目を待ってたもん。
なんでなにも言わねぇんだよテメェ。
「
「……」
ニヤニヤしやがって。完全に俺があの人の意図がわかってなくて、待ちの姿勢って気づいてやがるな?
「変な駆け引きいらないからさっさと言え」
「もう少し付き合っても良かろうに」
俺の方に向き直ってイタズラな笑みを浮かべてきやがった。なんとなくだけど少しだけ誘ってるな?
やめろその顔。前と違って性の抵抗が減ってきてるんだから。ちょっとしたことでこう――。
「お」
「勘づくな」
「落とすな」
やかましい。
「良いからはよ言え」
「りりんちゃん。私も気になるんやけど……。なんて言いかけたん?」
「貴様に色目を使われてもな」
「……? 使ってへんよ?」
いやお前はナチュラル
って、仮に口にしてもわかんないだろうし。リリンもカナラに催促されて話す気になったみたいだからもうなんでもいいや。
「一応。あの男の魔法は我も一通り資料に目は通したんだが……。一歩間違えば我とお前の天敵に成り得るぞあの男」
気になる言い方をしながら体を起こして髪を払い、改めて口を開く。
またここで黙られたらたぶん足が出てたね。
「アレはマナによるルールの強制。一種の支配だ。御伽の時もそうだが神誓魔法とやらはその、支配が共通しているのかもしれんな」
なる……ほど?
御伽は自分の空間にいるヤツを子供にしたりおもちゃみたいなのを動かしたりだったか。
なんか子供部屋とか言ってたし、それに関わることを強制や支配ができるってことか。
で、今観たクレマン・デュアメルは自分だけだが強制的に攻撃力と防御力を定められてる。
まだ二人しか知らないけど、リリンの仮説は信憑性高いかも。
ま、こいつが言うんだからそれなりに説得力あって当たり前なんだけどさ。
「神と呼ばれる輩からもらった力という共通点があるしな。なにかしらの法則はあってもおかしくない。仮にこの仮説が間違っていてもどうでもいいがな。今問題なのはヤツが近いうちに貴様に手を出そうとすることは決まっているということ」
一応今の試合の最初の音声は拾ってたし間違いないだろうな。
しかも――。
「ヤツの目当てはコロナだ。やれやれ。妹の次は契約者か。ずいぶんNTRフラグを立てられてるなぁ? ロゥテシアもナンパされることもあったし。次は我でも狙われるかな? それとも煙魔かな?」
「はぁ……。こないな女に懸想するようなけったいな趣味した
あーうん。そっか。
今別にそこんとこ気にしてなかったけど。なんか和んだよ。
あとリリンよ。お前もお前で俺以外にその手の興味ないの知ってるから。だからチラチラ腹立つ顔しながら見るんじゃねぇ。
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