第364話
朝食を取る頃にはカナラも合流したものの、コロナ……と、灰音を預けに行くのですぐ別れた。
コロナの時も思ったが、灰音が増えたせいで余計託児所感がでちまうなこれ……。
ちなみにポジショニングは前にコロナ、背中に灰音。
「どうした我が父よ。ずいぶんと景気の悪い面じゃないか」
「あ?」
誰のせいだと思ってんだこの赤ん坊。
恩人だからって調子乗ってんじゃねぇぞコラ。
「クーハッハ。そう怒気を込めないでくれ。後ろからでも怖い」
「じゃあおとなしく運ばれてろ。なんなら二度と口を開くな」
「薄々思ってたけど
別に好き好んでそう接してるわけじゃねぇよ。
ただお前口開く度になんか癪に障る言い方すんだもん。だからついそういう態度になるだけ。
まったく。誰に似たのやら。
「お? 着いたようだねパパ」
「コロナ、それ食べて良いぞ」
「んあー」
「ごめんなさい。あ、ちょ、いだだだだだ、引っ張らないでコロ姉!」
「良し!」
「いや良しじゃなくてね!?」
俺の上で格闘されるのはちょっと困るが、灰音に絡まれるよかマシだ。
うん。最初からこうしとけば良かったわ。
「あ、おはようございます」
「おはようございます天良寺君。コロナちゃん……と、あれ? その子は?」
ついでに俺の背中にへばりついてる
はぁ……。仕方ないので紹介しますか。
「新しい契約者の灰音です。これからはコロナ共々よろしくお願いします」
「あぶぁ~」
背中からあかちゃんボイスが聞こえる。
あ、そういう路線で行くのねお前。
「あら~。ずいぶんとまた可愛らしい契約者ですね。よろしくね。カインちゃん」
「きゃっきゃっ♪」
うっぜ。
でも余計な口を叩かないことを考えたら断然こっちのが良いのはわかってるのでスルーしよう。
「では預かりますね~。なにか注意することとかあるかな?」
「いえ、特に。何でも食べるし二歳児から七歳くらいの知能はありそうな雰囲気あるんで大丈夫です」
『いや、カラスじゃねぇんだわ?』的な目を瓶津知先生に抱かれながら向けるんじゃねぇ。うっとうしい。
「あ、でもコロナが灰音を食べようとするかもなんで気を付けてください」
「ん……んんんん? よ、よくわからないけど、気を付けておきます……ね?」
めっちゃ疑問符浮かべてるけど、他に言い様がないんすわこれ。
な~ぜかコロナは灰音を気に入ってるものでね。食べそうになるくらい可愛がってますよ。
つい先程もかじりつこうとしてたし。
ま、けしかけたの俺だけど。
「あぶぅあ~♪」
今度は『よく言ってくれた! これで私の安全は多少なりとも保証される!』的な面を向けてくる。
……やっぱ言わなきゃ良かったかもしれない。
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