第357話
「――話はわかった」
カオスになりかけたが、その後はなんとか軌道を正して一応大体の説明を受けた。
となると次に話し合うのは……。
「お前の扱い……だよなぁ~」
血縁上は俺の子供なんだけど。俺の年齢と母親の問題がある。
契約者は一応政府様が管理してるからリリンのことも存在は認知されてるし当然戸籍に近いモノに登録もされてる。
つか
で、まぁ……だから? 戸籍を作ることは問題じゃない。俺が未成年ってことに目を瞑ればね。
今の時代でも未成年が子供なんて既成事実を抱えたら大問題になるからなぁ~……。しかもリリンっていう火種もあるし。下手に露見したら騒がれるどころか召喚魔法界隈全体に迷惑かかりそうだわ。未成年淫行を誘発する最低の魔法。今すぐ廃止すべき~みたいな。
「煙魔の伝ではいかんのか? お前の父親の隠し子とかにしてしまえばいいだろう。それか孤児にしてお前の妹みたく養子とか」
「……気づいてたのか」
「そりゃ気づくだろう? 何もかも違うだろうお前ら」
うんうんと頷く一同。さすがに血縁上は赤の他人ならそらわかるか。お前ら人外ならあっさりと。
ただ、コロナ。お前は空気読んだだけでよくわかってねぇな? 空気を読むことを覚えて嬉しいけども。
「私はかまへんよ。でも……じゃあ灰音ちゃんはそれでええん?」
「正直お断り願いたいかな。私は父母の子。それを偽るのは些か抵抗があるよ」
さいですか。
たとえそれが本心でも俺の気持ちにモヤがかかるようなことを言うのは控えてほしい。
まだ気持ちがついてこないんでな! 急いで受け入れようとはしてるけども!
「普通に契約者として登録してくれたほうが良い。事実だし」
「あ」
な~るほどぉ~。その手があるか。普通に盲点だったわ。
「良いじゃないかそれ。採用」
「父はあだ名として呼べば良いしね」
「全力でやめてほしいんだが!?」
「リリン
たしかに影は薄くなるけどな? でも呼ばれてることが問題なんだ?
「でもだな……」
「実子と公言されるのとどちらを望むかね?」
「……」
そうこられたらなんも言えねぇよ。
あぁ……。俺には最初から選択肢なんてなかったんだな……。
「ではそういうことで」
うぅ……生まれて間もない娘に言い負かされた……。
こうなったら早く慣れるように努めよう。
「よろしく。ぱぁぱ♪」
……せめてパパだけはやめてほしいがね!
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